色の薄くなった月 ページ7
jeno side
身支度を整えたAを
見送らなければならない時が来た
ドアに向かっていく背中を
ぼーっと目で追っていると
｢あ、あと1回でいいからぎゅーしてもいい…？｣
もちろん、という意味を込めて頷いたら
ぐりぐりと胸に擦り寄ってきた
｢…へへ、幸せ｣
ポンポンと頭を撫でていたところに
いきなり顔をあげたAは
きっと、今までで一番美しい笑顔だったと思う
そこからはもう一瞬で
風のように時が去っていく
｢またね、ジェノ｣
腕の中をするりと離れたAは
ゆっくりとドアノブに手をかけて出ていった
パタンと優しく閉められたドア
静かなホテルの一室に、俺は一人になって
自分でもなんでかは分からないけど
ふっと、小さな笑い声が漏れた
…やっぱり、どこまでもAはずるい
またね
だなんて
呆然と立ち尽くしていると
ちょうど、ロンジュナからの着信
RJ ｢おーい
Aとのラブラブタイムは済んだのかー？
今からみんなでお前のこと拾いに行くからよ｣
変な気遣いのない、いつもの明るい声色は
逆に俺を安心させる
はーいと返事をして、すぐに通話を切った
…よし、俺も出発しますか
今は自分のやるべきことを頑張らないと
マスクをして、しっかりと顔を隠す
部屋を急いで出て扉を閉めた
君に、胸を張って
｢おかえり｣が言える日が来ますように
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稟(プロフ) - きららさん» ありがとうございますすごく嬉しいです！、これからも楽しく書き続けます^ - ^ (2021年1月23日 9時) (
レス) id: be56eb441f (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 前もコメントさせていただいたんですけど(何回コメントするんだよって感じですよね笑)ほんとにこのシリーズが大好きすぎてずっと読み返してキュンキュンしながら続きが出るのを楽しみにしてます！！(^-^)次も楽しみです！ (2021年1月22日 1時) (レス) id: c6db1fa1ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽこ | 作成日時：2021年1月18日 0時
