運命 ページ43
たぶんさ。
こういうのを。
運命って、言うんだろう。
どおりで、僕なんて。
太刀打ちできない。
きっと、神様が
どうしても２人の恋の結末を
見たいんだろう。
.
その瞬間。
強い風が、吹き抜ける。
.
閉じていたはずの、ガラス戸が開かれ
強烈な勢いの風が
部屋に吹き荒れた。
白いカーテンが、高く高く舞い上がり。
視界を遮る。
遮っていた光が、あちこちへと
飛び出し。
僕らの目を眩ました。
風の勢いに。
ただ、目を閉じていることしか
できない。
.
なぜ。
風が吹いたのか。
誰も説明はできないだろう。
ただ。
次に、目を開けた時。
そこにある光景は。
そう。
僕が、二度見た、、、
遠くから、眺めていた。
記憶と一緒だった。
まるで。
無敵のウルトゥルヌスのように。
立ちはだかり。
奪われないように、包み隠し。
盾となって、命をかけて守り。
圧倒的な強さと。
その腕の中にいる宝物を
大切に
大切に
愛おしく抱きしめる
途方も無い優しさと。
幸せを纏って。
身体中から。
オーラを放つ。
.
そう。
僕は。
二度見た。
あの風が吹いた、冬の日。
大切な人に命を捧げたウルトゥルヌス。
あの風が吹いた、夏の日。
腕の中にいる人を愛おしそうに眺めていたウルトゥルヌス。
それは。
今、目の前にある光景と一緒だ。
僕は。
あの時と同じで
遠くから。
眺めていた。
.
こう言うのを。
運命と呼ぶんだろう。
どおりで。僕なんて。
太刀打ちできない。
そこには。
.
風が通り過ぎて。
白いカーテンが、飛ぶのをやめた時。
そこには。
いたんだ。
愛おしい人を
命なんて顧みずに。
ただ守ろうとして
盾となり立ちはだかり。
愛おしそうに抱きしめる。
風磨が。
そこに、いた。
.
僕たちは。
その光景を
黙ってみつめていることしか
できなかった。
風磨の瞳から。
一筋の雫が、頬を伝う。
表情に、感情はない。
でも。
「、、、もう大丈夫だよっ。」
見上げるAちゃんは。
やっぱり。
風磨に恋をしているんだろう。
次の瞬間。
崩れ落ちる風磨を
Aちゃんが、受け止める。
そして。
幸せそうに微笑んだ。
僕は。
三度目の“運命”を
見た。
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あひる(プロフ) - さやぽんさん» 読んでいただいてありがとうございます！心が震える、、、なんて嬉しすぎるコメントありがとうございます。がんばります！ (2018年4月8日 17時) (
レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
さやぽん(プロフ) - 久しぶりにこちらに来ました。やっぱりあひるさんのお話大好きです！読む度心が震えます。次回作も楽しみにしています！ (2018年4月6日 3時) (レス) id: 561c5b3bd1 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - クンミンさん» 映画って、すごく嬉しいです♪その言葉を胸にがんばります！ (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - イチさん» いつもコメントありがとうございます！これからも読んでいただけると幸せです。よろしくお願いします♪ (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 長編お疲れ様ありがとう。毎回映画を観てるようで泣いたり辛くなったりほっこりしたり。素敵な作品でしたありがとうございます(^^) (2018年3月5日 7時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ahiru3hapinkdesu | 作成日時：2017年6月18日 21時
