十字架 ページ5
彼女は。
知っていた。
いや、、、疑念を、
俺が確信に変えてしまったんだ。
何度かはぐらかしたけど。
同じマンションの。
同じ部屋に住んでる、証拠写真を
突きつけられたうえに。
結婚のことまで、調べていた。
「で、、、、。
ココからが大事なんだけど。
バレたら？
隠してる理由は、何？
まぁ、理由はどうでもイイけど。
とにかく。
バレたらヤバイから、隠してるわけでしょ。
これからは。
私の言うことを聞いて
くれるわよね？
ふうまくん。
」
不敵な笑み。
「知ってる？
私とふうまくん。お似合いのカップルだって
噂されてる。
それが。自然だと思うの。
バレたら。
あなたの地位もわたしの地位も、落ちる。
私も困る。
だから。
自然な流れに身を任せるの。
お願いね？
」
バレたら。
離婚。
形だけ、とはいえ。
離婚する。
が、条件で。
結婚を許してもらった。
俺は。
卑怯ものだ。
隠そうとした。
離婚となれば、、、これまで隠してきた
ことを、Aが知ることになる。
早く結婚しなきゃいけなかったくだらない理由や、
Aの許嫁のことや。
それを隠した卑怯な俺を。
知ってしまう。
その時。
Aが。
俺を許してくれる自信なんてまったくなくて。
彼女に従うことを選んでしまった。
まるで。
俺は。
彼女と付き合っているかのよう。
友達の前だろうと、Aの前だろうと。
容赦無く。
特に、Aにみせびらかすように
彼女の要求は強くなった。
けど。
耐えられると思ってた。
Aを守りたかった。
結婚していたかった。
唯一。
Aを僕に縛り付ける、
十字架だから。
人前で何度キスさせられても。
甘い香りで、好きだと囁かれても。
彼女が、他の奴らにとってどんなに姫でも。
絡められる腕が、どんなに華奢でも。
行く手を遮られても。
それは。
結婚を守るためだと、
思い込んでいた。
そう。
結局。
俺が守ろうとしてたものは。
Aじゃない。
俺自身でしかなかった。
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あひる(プロフ) - さやぽんさん» 読んでいただいてありがとうございます！心が震える、、、なんて嬉しすぎるコメントありがとうございます。がんばります！ (2018年4月8日 17時) (
レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
さやぽん(プロフ) - 久しぶりにこちらに来ました。やっぱりあひるさんのお話大好きです！読む度心が震えます。次回作も楽しみにしています！ (2018年4月6日 3時) (レス) id: 561c5b3bd1 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - クンミンさん» 映画って、すごく嬉しいです♪その言葉を胸にがんばります！ (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - イチさん» いつもコメントありがとうございます！これからも読んでいただけると幸せです。よろしくお願いします♪ (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 長編お疲れ様ありがとう。毎回映画を観てるようで泣いたり辛くなったりほっこりしたり。素敵な作品でしたありがとうございます(^^) (2018年3月5日 7時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ahiru3hapinkdesu | 作成日時：2017年6月18日 21時
