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鏡の前。
知らない自分がいた。


「うん。きれいだよ。」
満足気に。
中島君は言った。


それはまるで。
自分が描いた絵を
眺めるように。
満足そうだった。



「行きたい場所があるんだ。
ついてきてくれる?」
やわらかな口調に
従うしかなかった。

言わなきゃいけない言葉を
つい後回しにする。




口を出せない、この雰囲気は
なんだろう。



もう一度乗せられた黒塗りの車の
窓から見える街並みは。
見たことのない風景だった。
知っている道なのに。
そこは、なんだか遠い存在に思えた。

近づけない。
私が降りてはいけない風景。

ガラスに映る私は。
こんなにも高級そうなのに。


強烈に、空っぽに見てた。





ボーっと見上げた夜空に輝く
ビル群のネオンが。
痛々しくキラキラ輝いていた。




しばらくすると。
車が止まった。




「行こう。」
声に、ふと我に帰る。


促されるまま、車を降りると
敷き詰められた無数の砂利が
ギシギシと音を立てて。
その上に、高い高い靴のヒールを
突き刺す。



「行くよ。」
大きな大きな。
重い扉。
ふと、隣を見上げても。
その重さに必死で
目を合わせてくれない。


ギーという低い音が鳴り響く。
両開きの扉が解放される。



見渡す限り。
まだ
続く長い道。



先導するように
ただ前を向き。
歩いて行く中島君に
ついていくのが必死だった。

いつもとちがう。
殺気。



次にたどり着いた、引き戸を。
慣れた手付きで開ける。
ガラガラ、と大きな音。



建物の奥から。
ドタドタと足音。



「け、、、けんと、おぼっちゃま!?」
慌てた様子の使用人らしき人を
振り切って。
「ごめん、通してくれる?」
王子は余裕の表情で、甘く笑った。

唖然とした空気が
流れてゆく。

罪と罰→←ヒール



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設定タグ:SexyZone , 菊池風磨 , 中島健人   
作品ジャンル:恋愛
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あひる(プロフ) - さやぽんさん» 読んでいただいてありがとうございます!心が震える、、、なんて嬉しすぎるコメントありがとうございます。がんばります! (2018年4月8日 17時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
さやぽん(プロフ) - 久しぶりにこちらに来ました。やっぱりあひるさんのお話大好きです!読む度心が震えます。次回作も楽しみにしています! (2018年4月6日 3時) (レス) id: 561c5b3bd1 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - クンミンさん» 映画って、すごく嬉しいです♪その言葉を胸にがんばります! (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - イチさん» いつもコメントありがとうございます!これからも読んでいただけると幸せです。よろしくお願いします♪ (2018年3月8日 23時) (レス) id: ac87b36997 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 長編お疲れ様ありがとう。毎回映画を観てるようで泣いたり辛くなったりほっこりしたり。素敵な作品でしたありがとうございます(^^) (2018年3月5日 7時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ahiru3hapinkdesu | 作成日時:2017年6月18日 21時

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