Secret Chests 2 [f.k][k.n]

計算 ページ16

大丈夫。
私がいるでしょ？

って。
七海が言ってくれて。

私は、少し強くなった気がする。



私は、信じるものを決めた。



風磨が全てになってしまっていたんだろう、
私の世界が。
壊れて、真っ白な世界が広がっていく。



怖がっていたものが。
どうでも良くなっていく。



学校に行きたい、って学校に連絡をしたら
1ヶ月は休んでほしい、って
言われたって。
きっと前なら、凹んだり恨んだりしただろうけど。
お休みをもらってラッキー、なんて
思えるようになっていた。



学校に戻るまで。
あと、3週間も。
何して過ごそうかな？
なんて。




もう。
季節は、すっかり秋になって。

だけど。

七海と放課後にお茶したり。
カラオケでアイドルを気取ったり。
いつも通りの日常を 取り戻したり。


平日に冷たい海に行ったりして。
2人で、寝そべった砂浜が冷たくて
なんかおかしくて笑ったり。


七海の叶わない片思いに、2人で涙して。
つらかったり。
失恋ソングをあいみみ、して聞いたり。



学校の近くの駅前で、遊んで
あの制服を見ても。
だんだんと怖くは、なくなって。




時々来る、中島君からの連絡に
はしゃいで。
ちゃかして。
悩んだりして。
ふざけていた。



七海は、風磨じゃなくて。
中島君がイイって。
言いだして。
そもそもの許嫁は、中島君なんだ。




私の運命の人は。



風磨じゃない？のかもしれない。





私は。
もう。
風磨を、思い出したくなかった。




でも。
気がのらなかった。
中島君の側は。
嫌でも、風磨の影を思い出す。




それでも
御構い無しに、中島君は。
メールをしてくる。






大丈夫？





つらい時は、僕を頼って。





Aちゃんは、僕の許嫁だから。





やれることがあれば、なんでもやるよ？







なんて。
女の子なら、誰でも喜ぶ文字を並べて。






揺れないかと問われたら、
揺れてる。





私は、揺れてる。





ずっと、離れていた許嫁が。
私を取り戻すために戻ってきた、
なんて言われたら。

ついて行きたくなる。





ただ。
このままじゃダメだと思う。





中島君に向き合うか。




逃げるか。




ちゃんと、決めなきゃ。
前に進めないんだ。





「ちゃんと話してきたら？」
七海が背中を押してくれた。





中島君から、いつものメールがくる。



つらい時は、話相手になるよ？
いつだって待ってる。




返信をした。




「どこか出かけたくて。
付き合ってくれる？」




「もちろん。」

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