＊ ページ12
「俺のもんに手ぇ出すんじゃねぇぞボケ。」
私が今の状況に困惑するのも無理はないだろう。
だって、あの問題児の爆豪くんに後ろから抱きしめられているのだから。
いやだって、俺のものって、何なんですかそれ。
少女漫画とか恋愛小説でしか見たことないような言葉、まさか自分が言われるなんて思ってもみなかった。
自然と顔に熱が集まる。
「爆豪…そうだったのか。」
「ちょっと黙ってろや半分野郎。」
「悪い。」
そこで轟くんが口を挟むが、少し機嫌が悪そうな爆豪くんに止められた。
それにしてもよくこの修羅場の中会話に入ってこれたな轟くん。
しかし、この天然くんのおかげで少し冷静になった。
よく考えれば爆豪くんが私のこと好きなわけがない。
恐らく、私が夜嵐くんに対する返答の事で困っていると思って助け舟を出してくれたとかそんなところだろう。
だが私が本当に夜嵐くんのこと好きだったらどうしていたのだろう。
まぁ細かいことを考えていても仕方がないが。
「そうだったんすか…。」
夜嵐くんが落胆した様子で口を動かす。
悪いことをしたのは私ではないのに、居心地が悪いような、そんな気分になる。
いや、やっぱ自分で早めに結論を出さずにうやむやにしていた私が悪いのかもしれない。
「でも諦めないっす、いつか俺の方が好きって言わせますから！」
夜嵐くんはいつもと変わらないようで少し苦しそうに見える、そんな笑顔を向けて何処かへ行ってしまった。
「…おい。」
爆豪くんは私のことを乱暴に離して、普段よりも低い声で言った。
「………やっぱなんでもねぇ。自惚れんじゃねぇぞ。」
『……うん。』
そうして彼はそのままくるりと背中を向けてこの場を立ち去った。
やっぱそうだよね。
爆豪くんが私のこと好きなわけがないとは思っていたけど、ほんのわずか膨らんだ期待は一瞬にして消えていった。
でも、
『…何でそんなに怖い顔して言うんだろう。』
私はそう、小さく呟いた。
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ユリ(プロフ) - 雫さん» そう言っていただけて嬉しいです！更新遅くなって本当に申し訳ないです…… (2020年5月11日 1時) (
レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 黒霧さん最高…いぇーい＼(^o^)／ (2020年5月8日 16時) (レス) id: f53115cc0c (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 鳳蝶さん» うわぁぁありがとうございます！！私もホークス好きなので書いてて楽しかったです！！ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
鳳蝶 - これよ。これですよ。わたしが待ち望んでいたものは。やっぱりユリさんは凄いですね！！書いていただきありがとうございます！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 021b07b710 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 座布団さん» リクエストありがとうございます！書かせて頂きます((o(*>ω<*)o)) (2020年3月24日 0時) (レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ | 作成日時：2020年3月5日 19時
