幼馴染み＊瀬呂範太 ページ31
いつからだろう。
幼馴染みに触れたいと思ってしまったのは。
でもこの関係を崩したくないというのも事実で、今まで幼馴染みへの感情は心の中にしまっておこうと思って生きてきた。
それなのになんだこの状況は。
『せろ、風呂あいたよー。』
バスタオルを体に巻き付けただけのAがラブホテルの風呂場から出てくる。
居酒屋行ってる帰りに大雨が降って電車が停まらなければこんな生殺しみたいな状況にも陥らなかっただろう。
酒が入ってる事によってもうそろそろ理性も危うい。
俺が部屋の隅でAを視界に入れないようにしながら体育座りをする事によってギリギリ保てている。
ここ以外の場所に行けばいいという意見は通用しない。
何故かこの辺りには漫画喫茶もビジネスホテルも存在しないため泊まる場所はここしかないからだ。
『んー、なんか眠くなってきた。』
Aがバスタオル一枚のままベッドにダイブする。
場所がここというだけでもしんどいのになんなんだこの仕打ちは。
きっとAも酔ってなければこんなことはしなかっただろう。
たとえ相手が幼馴染みだとわかっていても部屋の隅でちょこんと座っていると思う。
Aが酔っているのならもういっそ酒のせいにして襲ってしまおうかという考えはもう何度も頭をよぎった。
お願いだからこれ以上理性を揺るがすような真似をしないでくれ。
『ねー、せろ？』
「ハイ。ナンデショウカ？」
『なんでそんなすみっこにいるの？』
「…え？えっと、それは、その」
Aの質問に思わず口ごもる。
えっ何て説明したらいいの？
近づいたら理性を失いそうだからです。
とか言えないよな？
と、必死に理由を探す俺にAは口を開く。
『せろはさ、私の事嫌いなの？』
どうしてそのような考えにたどり着いたのは定かではないが、Aは暗い声を口に出した。
「いや、むしろその逆、というか。」
『じゃあ私のことすき？』
「………好き。」
幼馴染みの関係が壊れるのを恐れている俺は、うつむきながら答えた。
それもAに聞こえるか聞こえないかくらいの声で。
しかしそんな声でもAのもとには届いたようで。
『私もね、せろのことすき。』
俺にはそれが恋愛感情なのか、友達のしてのものなのかはわからなかった。
でも、顔をほんのりと赤らめて、ふわりと微笑むAの姿は、俺の理性を崩すのには十分すぎた。
――――
次に続きます。
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ちゃこ - ゆ夢主すぐぼーっとすんのやめろしんどいwww (2021年3月8日 0時) (
レス) id: aef7292ce1 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - ゆきかきさん» リクありがとうございます！しばらく占ツクに来れてなくって返信遅くなって申し訳ございません。ホークス書かせていただきます！ (2020年3月5日 13時) (レス) id: 4145acdb6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきかき - リクですぅ。ホークスお願いしますぅ。(キモい言い方してすいません。)あと、天喰よかったです！ (2019年9月1日 13時) (レス) id: e9bda3ff7a (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ユリさんの、作品ほんっとに大好きです！ファンに、なってしまいそうです。これからも更新楽しみにしてます！ (2018年7月1日 12時) (レス) id: d05c83c0be (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - モンブランさん» 二度もリクエストしていただいてありがとうございました！更新頑張りますね！ (2018年6月26日 19時) (レス) id: e541ce1bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ | 作成日時：2018年3月8日 0時
