ハジメテ＊天喰環 ページ9
退屈な授業の中。
席が近い友人に他愛もない事を書いた小さなメモを渡す、という行為をやったことがあるという人は多いであろう。
それが例え、あの有名な雄英高校の生徒であったとしても例外ではない。
五限目の授業中、Aは小さなメモを、さらに小さく四つ折りにして開いている机の隅に置いた。
たった手のひらに乗るくらいの小さなメモの、半分にも満たないくらいの言葉。
それを渡すだけだと自分に言い聞かせても心臓がひどく跳ねて、落ち着かない。
『………はぁ。』
大きなため息をつく。
授業中だというのに先生の言葉は頭の中の不安と緊張にかき消されて、集中どころではない。
例え渡す相手が隣の席に座る恋人であろうともこういうことを言い出すのは慣れていないもので、恥ずかしさが伴う。
「…どうしたA、何かあった？」
Aの様子がおかしいことに気付いたのか隣の席の天喰が彼女のほうに顔を向ける。
普段ならば彼女は授業中、どんなに疲れても、どんなに眠くても黒板の前で説明をしている先生の長話を聞いてノートをとっているものだ。
それがどうしたものか、ノートはとっているようだが先生の話はまるで聞いておらず、机の隅においてあるメモに気をとられて上の空だ。
それで心配にならない方がおかしい。
授業中に会話をするなんてこと、普段ならば滅多にしないのに今日は言葉がすんなりと出てきた。
『たっ、環君っ!?』
Aは顔を勢いよく天喰のほうを向いて、「なんでもないよ」と続ける。
口ではそう言っているが真っ赤な顔で、しかもどもりながら言われても説得力は皆無だ。
天喰の頭には疑問符が浮かんだ。
『いや…、なんでもないことは…ない、んだけど……。』
Aは目線をそらし、口をもごもごさせた。
その言葉を聞いた天喰は、そうだろうなと納得する。
『…これ、嫌だったら言ってもいいからね？』
彼女が机の隅に置いてあったメモを取って、天喰に手渡した。
天喰はそのメモを開いて耳まで顔を赤く染めた。さっきまでの彼女の挙動不審がわかったような気がする。
[今日親居ないけどうちんち来る？]
その言葉の下に返事を書き、元々ついていた折り目に沿ってもう一度四つ折りにしてAに渡す。
手が触れあった時にこのドキドキが伝わりそうでなんだか怖い。
Aはメモを開いて、顔をほころばせた。
――――
次に続きます。
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きのこ - 心操君と真堂君が、、、、グハァ(血吐 (2018年10月12日 21時) (
レス) id: b000323d2b (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - Ψ藤｡さん» ありがとうございます！よろしくお願いします！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: 5f6ae5c170 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - Ψ藤｡さん» リクエストありがとうございます!遅くなってしまうのですが書かせていただきますね！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: e541ce1bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - カリンさん» リクエストありがとうございます！遅くなると思いますが書かせていただきます！ (2018年9月27日 22時) (レス) id: e541ce1bc4 (このIDを非表示/違反報告)
Ψ藤｡(プロフ) - リクエストいいですか？尾白君と心操君に夢主が取り合いされるって感じでお願いします！激甘で！ (2018年9月25日 20時) (レス) id: da15a7215d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ | 作成日時：2018年7月7日 17時
