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召集令状 ページ8

伐折羅「姉さん…」

妹の部屋。まだ幼い伐折羅に一人部屋は早かったらしくあまり使われていない。勿論寝る時もだ。

藕花「大丈夫?」

伐折羅「…うん!」

「そっか」と一言、妹の頭を撫でてやった。

藕花「ゆっくりしとこうか」

伐折羅「…どこにも行かない?」

不安げに見つめる妹。自分より力のある人達に暴力を振るわれたのだ、怯えて当然だ。

藕花「何処にも 行かないよ」

あやす様に優しく妹を腕の中に包み込んだ。
____

ヨミ「こりゃ参ったな」

白「どうしたのです?」

頭を抱えるヨミに白は問いかけた。

ヨミ「セイヴァーの事でな…」

【セイヴァー】堕天した者の集う組織。世界に多大な悪影響を及ぼし、第三次世界大戦にまで発展しかけた事もあると言う。神獣の堕天、又は殺戮を目的としている。

ヨミが鎮めたテロ事件にも関与していた。

ヨミ「あの若者も影響を受けた可能性が高い」

白「奴らも懲りませんわね」

ヨミ「奴らのせいで1か月後にはまた前線送りさ」

憂鬱そうに深い溜息を吐いた。

ヨミ「もしかしたらこの國も危うくなるかもね」

白「それって…」

ヨミ「この事は内密に♡」

呆れていた表情を変え、妖艶に微笑みながら人差し指を口に当てた。

白「…そうしておきますわ♡」

白も真似る様に妖艶に微笑んだ。
____

1か月後、伐折羅は調子を取り戻したが外出を控えるようになった。

それとは裏腹に藕花は混乱する事になる。


-校長室-
広い机の前で1枚の紙を握り締める。

藕花「ですが私は軍の資格も獲得しておらず、主属もしておりません。ましてや私はまだ生徒です」

この学校は軍人や魔道士などの育成が目的とされてる。けどこんな学校制度は存在しない筈…

しかも最初から前線と言う鬼畜な召集令状。一体どうして…


校長「國の法律上仕方の無い事だ。それに君を選んだのはツクヨミ少佐だ」

藕花「法律…?改正なされたのですね。でも、何故私なんかを」

数ヶ月前、制度の改正が発表されていたらしい。落ち着いて生活が出来ていなかった為気付かなかった。

校長「君の実力は他の生徒達より目立つ上 他の組織らにも一目置かれている。選ばれて当然だろう。どうする、戦うか 戦わないか」

藕花「…」

選ばれる_力を認められる事
でも伐折羅を1人置いて行く訳には行かない。

相手はセイヴァー
神獣同士の共喰いが繰り広げられる事になる。
それは伐折羅への負担が激減される事にもなる。









藕花「私、運慶 藕花は_」

正義とは→←感情の差



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作者名:月夜見 | 作成日時:2017年6月19日 20時

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