感情の差 ページ7
男「あ？んだテメェ」
伐折羅？「このガキ痛ぶってっと、痛い目見るぜ？」
突然風が吹き荒れ気候が荒れ始め人間共は焦り始める。能力者では無い様だ。
伐折羅？「…あ？」
背後から肩を叩かれ振り向く。そこには怒り狂った藕花の姿があった。
藕花「伐折羅…いや、アンタは下がってろ」
伐折羅？「言わんこっちゃねぇ」
ジリジリと感じる殺意と
藕花「天津法典に基づき、処罰する」
彼等の足元に大きな御札の様な模様が浮かび上がる。
罵倒の声にも耳を傾けず詠唱する。
藕花「幼い子供を成人前のガキが痛ぶっても良いと？」
藕花「【
詠唱を終えた途端模様は体内に染み込み罵倒の声はなくなった。
白「全く神は恐ろしいモノを創り出しますわね…」
伐折羅？「用は済んだ 戻る」
伐折羅「っ姉さん…？わっ!?」
白は幼く傷だらけの伐折羅を支え手で目を隠す。
伐折羅は白に支えられ現状を把握出来ず何も見えない恐怖に襲われる。
白「伐折羅ちゃんは何も見なくてよろしいですわ」
伐折羅「う、うん…？」
＿＿＿＿
ヨミ「数名の高校生が行方不明…ね」
新聞を広げ、ミは溜息を吐いた。連絡を受け、様子を見に来たのだ。
ヨミ「風習廃れど煩悩廃れずってな」
藕花「すいません寝ちゃって」
ヨミ「良いよ、シスターちゃんが妹ちゃんは軽傷だから大丈夫だって」
藕花「そうですか。良かった…」
安心し切ってつい敬語を忘れた。
藕花は自分の行いが常に正しいとは思ってない。妹の事になると自分の感情が抑えられないのだ。
藕花「人間の感情権を奪った上に地獄に陥れても、それは正しいですか？」
藕花達神獣は天のルール、通称｢天津法典｣の許される限り人間を裁く事が可能だ。
ヨミ「感情を消す事は彼らにとって規模が大きいけど、殺さない、傷付けない の条件の中で良い選択を取れたと思う」
藕花「先輩は…何人裁いたんですか？」
ヨミは視線を新聞に戻し間を置いた
ヨミ「ん〜…覚えてない」
それもそうだ｡彼女はプロ以上の存在なのだ､覚えていなくて当然だろう。
藕花「そうですよね」
ヨミ「気にする事無いよ､裁くのが役目なんだしさ」
その言葉に藕花は伐折羅の事を思い浮べた。この義務は強制的に課せられるのだ。
藕花はヨミに礼をし、妹の元へ向かった。
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作者名：月夜見 | 作成日時：2017年6月19日 20時
