前兆? ページ6
ある日、伐折羅は姉に疑問を投げ掛けた
伐折羅「なんでみんなの目の色とちがうの?」
白は心配そうに見守るが藕花は平然としていた。
藕花「個性だからだよ」
伐折羅「こせい?」
あまり聞かない言葉に戸惑う伐折羅に藕花は簡単に説明した。
藕花「その人にしか無いモノの事だよ。違いはあって当り前、気にしなくて良いよ」
伐折羅「…そっか!!」
藕花「うん、大丈夫だよ」
白「…」
伐折羅「じゃあ私庭で遊んで来るね!」
藕花「…気を付けてね?」
____
2階の藕花の部屋。あるのは画材や教材ばかりだ。
白は主に対し、不安を感じていた。
白「本当に宜しいの?」
藕花「何が?」
白「妹様はリアルの世界を知りませんわ、だからって…」
伐折羅が自立出来るかどうかだ。白は心理学にも詳しい。
白の言葉を遮る様に藕花は語った。
藕花「他を知る事は己を知る事。だとしても私は伐折羅に人を救う術や守る力そして抗う力を身に付けて欲しい」
白「吹き込み過ぎは、良くありませんわよ」
警告する様に白は言う
藕花「分かってるよ、過保護は自立の妨げになるからね」
白「霧雨様も、ですの?」
その名に彼女は口を閉ざした。地雷を踏んだとすぐに分かりもう一言加える。
白「仕方ありませんわ。昔の事ですもの」
藕花「あの男は育児放棄だよ」
霧雨。彼は姉妹の父親であり、龍でもある。今は行方知らずで探す宛も無い。
伐折羅は覚えていないだろう_
外から悲鳴声が聞こえた。
藕花·白「!!」
その声は2人が聞いても分かる。他の誰でも無い伐折羅の声だ。
窓から覗けば複数の男女が暴力を振るい、スマホで写真を撮っていた。
伐折羅「や…やめて!!」
女「何よ、ガキの癖に生意気じゃないの!!」
伐折羅「っ…オェ…けホッ…」
体を蹴られるのを見て姉は怒りが込み上げた。すぐ様窓から飛び降りて助けに行こうとしたが白に抑えられる。
白「落ち着いて頂戴!!また噂を流されて苦しくなるだけですわ!!」
理性を失い欠けている藕花にとって抑える事は火に油を注ぐ行為でしかなかった。
藕花「殺す…!!」
____
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
この人たちはたのしいのかな、おもしろいのかな
こんなにイタいのに、何でこんなコト考えられるんだろ。
あれ、何だろ…この感情
何だか…マグマみたいに…あれ…?
お前はまだ何も見なくていい
お兄さん……誰?
伐折羅?「全く人間も変わってねぇなぁ…!」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月夜見 | 作成日時:2017年6月19日 20時