似たもの同士 ページ5
藕花「25人目…」
リング1人たたずむ。夜間学校は通常の学校とは違い能力者や特殊な能力を持つ種族が通う学校である。
今夜は技術審査が行われていた。様々な科目中の武術の審査だ。因みに勝ち抜き制だ。
アナウンスが流れ次の生徒が上がる。
唇を舐める。開始の音が鳴ると瞬時に先攻を取った_
今回の武術審査でも高得点を叩き出した。
____
廊下にて男子生徒二人
男子「運慶さん、また高得点だな」
男子「俺らの取り柄無くなっちまうぞ」
近くに居た藕花は聞き逃さない。
藕花「上の方々は高得点を出すのが普通です。今のままでは取り柄など夢のまた夢ですよ?」
男子「デスヨネー」
男子「説得力半端ねーな((ボソ」
何かを守る為に【強さ】は必要不可欠。藕花はそれを痛い程理解している。
黒雨が上から降ってくる。伐折羅にはまだ抗う力は無い。
私が傘にならなきゃいけないんだ。
男子「運慶さん顔色悪いよ?」
男子「熱でも…」
慌てて誤魔化す。
藕花「いえ、朝の事を思い出して…えへ」
男子「「ん゛ん゛っ//(可愛い過ぎか//)」」
?「藕花じゃん何してんの?」
藕花達の前に現れた狐耳の少女。白髪で、動き易い白い和風の戦闘着を纏う。耳元の薄く細長い器官を揺らし楽しそうに聞く。
男子「ヨミさん任務は?」
ヨミ「終わったよ、あんなのチョロいわい」
親しみ易い為歳の差関係なくヨミと呼ばれている。本人は結構嬉しいらしい。
ヨミは先輩であり彼女の言う「上の人」だ。
数年前あるテロ事件を1人で鎮めた実力を認められ飛び級で少佐に昇格した。
藕花「先輩、お時間空いてますか?」
ヨミ「空いてるよ」
____
屋上、欠けた月と星が光り輝く。
2人手すりに寄りかかり夜空を眺める。
藕花「お気に障りました?」
ヨミ「別に?昔のウチに似ててさ。妹思いな所、昔の事だけど」
彼女はテロ事件を鎮めたが、妹を人質に盗られ数人の男に汚され惨殺された。
妹思いな姉はもう居ない。目の前で切り裂かれ穢された姿で逝ってしまった。相当ショックだっただろう。
想像がつかないししたくない。
藕花「…妹さんですか」
ヨミ「水に流すしかない。困ってる奴が傍にいんのに自分の事ばかりじゃ情けないだろ?」
その言葉に耐えていたものが溢れ出た。自分が情けなく感じ、同時に救わてたと感じた
藕花「すいませ…グスッ…と…ま…ない」
スッと肩を寄せられヨミの片腕の中に包まれた。
ヨミ「良いよ、泣いて」
涙は夜空の星屑と共に流れた_
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作者名:月夜見 | 作成日時:2017年6月19日 20時