異常な普通 ページ12
〜次の日〜
「…(またか)」
上履きのロッカーを開ければ悪口を書かれた紙と無数の画鋲が私の足元に落ちてくる。
誰が処理すると思ってんだよ
「はぁ…」
私の学校生活はいつも溜息から始まる。
＿＿＿＿
午前授業が終わり昼休み。
屋上で弁当を食べる。此処は通常の生徒は立入禁止になっているが私には許可が下りているから不思議だ。
ミヤ「歴史か、太平洋戦争など最近の様に感じるぞ」
「神様って体感時間が違うんだね」
オカズを1つ口に運ぶ。口の中に旨味が広がった。
ミヤ「寿命は無限だからな」
「wow」
それからは何も話さず黙々と弁当を完食した。
屋上に繋がる階段を降りているとアイツらに会ってしまった。
「…」
生徒「おいゴミが居んぞ？」
生徒「掃除しようぜw」
「私はゴミじゃない。お前らの目は節穴か」
あ、嫌な予感が…
＿＿＿＿
痛い、寒い、気持ち悪い、吐きそう。
制服を脱がされバットでぶたれ、挙句 洗剤を飲まされ…
「ゲホッ…っ…はぁ…はぁ」
結局そうだ。いつもこうなる。誰が抗おうが変わる事の無い差別。
我が國民の意識を変えたマッカーサーは鬼才だと思わざるを得ないな…
不可視状態のミヤが耳元で質問する。
ミヤ「何故抗わないのだ？」
「…これ普通だから」
ミヤ「ふん、怖いだけだろう」
分かってる｡本心ではちゃんと理解している｡
でも何故か動けないんだよ
何も言い返せぬままイジメグループからの暴力を受け続けるしか無かった。
＿＿＿＿
「ゲボッ…うぅ」
アイツらはすぐ飽きて何処かへ行った。無理矢理飲まされた洗剤が飲み込んだ血と一緒に吐き出てくる。
人間と違いこんな事では死なない。飛び降りても、リスカしても、入水しても、身体は環境に対応する。
回復も早いし、沈んでもエラが生える…
「神獣って不便…いや、不平等だ」
戦争起こりかけてる時にそんな事言えねぇか
全く…無様だな…
ミヤ「これが普通なら昔は異常だな」
「そう大差ないよ、異常なのは変わらない」
いつもの口癖を呟いた
「…Fuck」
誰に向けて言ったのか
私にも分からない
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作者名：月夜見 | 作成日時：2017年6月19日 20時
