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「へー、いい話じゃん」

「どこが!?いや、でもほんと、何で私あの頃の生意気な悟に恋しちゃったかなあ……!!」



家入の言葉に、Aは頭を抱える。



まさかこんな形で恥ずかしい過去を語ることになるとは思ってもなかったのだ。



だが、家入は特に気にしていないようだった。



話を聞いて、いつの間に取り出した煙草に火をつけながら、なるほどねぇと相槌を打っている。



それから、Aの方をちらりと見やってこう問いかけた。



「…じゃあ、今は好きになる可能性はないの?」



Aはその問いには、ないね、とはっきり答えてみせた。



「自分ルールみたいなもんかな。終わった恋は引きずらないって決めてるの」



そう言って苦笑いするAを見て、家入は煙を吹き出す。



「…五条は……」



そして、何かを伝えかけたが、すぐに閉じてしまった。



代わりに、短くなった吸い殻を携帯灰皿に押し付ける。



「暑いし、中に戻ろうか」







***







一方、五条は夏油と一緒に体育館で暇つぶしをしていた。



「でさ、俺がもうほぼ告白みてぇな事いっても、Aは冗談だと思ってるわけ。マジ鈍感すぎて腹立つわ」

「悟……お前は本当に……」

「んだよ」

「……いや、なんでもない」



先程から延々と続く惚気話を遮ってやりたい気持ちを堪えながら、夏油は何だかんだ相談に乗ってやっていた。



というのも、普段なら絶対話さないであろう事を、なぜか今日はペラペラと話しているのだ。

ストレスでも溜まっているのだろう。



床に座る五条の頭上をバスケットボールが通る。



リングまで綺麗な弧を描いて、夏油がシュートを決めた。



「いっその事、『僕がこのゴールを決めたら〜』ってやつでもやればいいんじゃないか?」

「アホか」



呆れたように息を吐きながら、五条は寝転ぶ。



「あーあ、あいつ、昔は俺に告ってきた癖にな…」



ぼそりと呟かれた言葉に、夏油は思わず目を丸くした。



この長い長い恋愛相談に、やっと興味が持ててきたらしい。



「へえ?その話、気になるな」



結果的に、Aの黒歴史はこうして夏油にも知られることとなったのだった。

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0.5mmの替え芯(プロフ) - ただの本名;只野です。さん» 返信がかなり遅くなってしまいすみません!コメント有難うございます。更新を待っている、応援していると言って頂けるだけで、本当に嬉しくて……これは完結させなければという気持ちになります。長い休載を挟んでしまいましたが、最後までお付き合い頂ければ幸いです! (10月3日 20時) (レス) id: 631ae05995 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本名;只野です。(プロフ) - 神作品見つけるの専門謙スカポンタンの只野です。気になって軽ーく見てたら最後まで見てました。更新気ー長に待ってまーす。もちろん、応援も添えて (7月31日 10時) (レス) @page11 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:0.5mmの替え芯 | 作成日時:2023年7月8日 10時

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