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AAには、誰にも言えない秘密がある。
それは、自分の感情をコントロールすることができないということ。
好きになった人はすぐに好きになってしまうし、
嫌いなものは絶対に好きになれないし、
どうでも良いことはいつまで経っても覚えられない。
とにかく、気持ちに歯止めがきかないのだ。
恋をしている間は幸せだが、同時にとても苦しい。
どれだけ好きになった相手でも、いつかは嫌な面が見えてしまうから。
たとえ見えなくても、大抵そういう人にはもうパートナーがいる。
───ああ私、やっぱり誰も好きにならないほうがいいんだ。
そうすれば、こんな辛い思いをせずに済むから。
誰かを特別扱いしたり、裏切られたり、期待して落胆することもなくなるから。
ずっと変わらず傍にいてくれる人なんて、悟しか────
「ん……さと、る？」
「残念、硝子です」
揺り起こされて、一番に思い浮かんだ人物の名前を呼ぶと、彼ではなかったが聞き慣れた声が返ってきた。
「夏の昼間によく外で寝れるね。暑くない？」
「あつい……」
ぼんやりと答えると、家入は呆れたように息を吐く。
それから何かを取り出したかと思えば、そのままそれをAの顔に押し当てた。
冷たい。
心地良さに目を細めながらゆっくりと目を開けると、視界に入ってきたのは缶ジュースだった。
そこでようやく覚醒したAは、勢いよく上体を起こす。
辺りを見回せば、そこは見慣れた高専の敷地内だ。
木陰が気持ちよくて眠ってしまったらしいが、さっきまでのは夢だったのか。
「……あー、びっくりした」
「こっちの台詞。なんで泣いてんの」
「え？……あ、ほんとだ」
家入に指摘されて初めて、自分が涙を流していることに気付いた。
不思議と悲しいという感覚はないが、何故だろう。
少し寂しいような気がする。
「なんか変な夢見てたみたい。全然思い出せないんだけど……悟が出てきた、かも」
「ふうん」
こちらをじっと見てくる家入に苦笑いしながら、Aは渡された缶ジュースのプルタブを上げる。
プシュッと音がして、途端に甘い匂いが漂ってくる。
その誘惑に負けて一口飲めば、冷たくて美味しかった。
喉が渇いていたのか、Aはそのままごくごくと飲んでいく。
その様子を見ていた家入が、ふと思い出したように言った。
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0.5mmの替え芯(プロフ) - ただの本名；只野です。さん» 返信がかなり遅くなってしまいすみません！コメント有難うございます。更新を待っている、応援していると言って頂けるだけで、本当に嬉しくて……これは完結させなければという気持ちになります。長い休載を挟んでしまいましたが、最後までお付き合い頂ければ幸いです！ (10月3日 20時) (
レス) id: 631ae05995 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本名；只野です。(プロフ) - 神作品見つけるの専門謙スカポンタンの只野です。気になって軽ーく見てたら最後まで見てました。更新気ー長に待ってまーす。もちろん、応援も添えて (7月31日 10時) (レス) @page11 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：0.5mmの替え芯 | 作成日時：2023年7月8日 10時
