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「はっっくしゅん!!」
…まずい。風邪ひいたかも。
中学生は家を借りられないから私はマトモな家は持ってない。いつも空き家を転々と移り住んでいた。だけど今は追い出されたばかりだし、橋下でも一応外。濡れた服を脱いで乾かすなんて事は出来ない。
ずっと濡れた服に冷えきった体だから風邪ひいても可笑しくは無い。でも風邪薬なんて持ってないし、お金なら一応まだあるけど、動く気になれない。
眠たい…もう寝ようかな。
逃げ切った後、見つからないよう雨に濡れない場所を探していると随分経ってしまっていてもう時刻は朝方だ。風邪も相まってかとても眠い。
もうどうでもいいよ。彼とは金輪際会わなきゃ忘れるでしょ。多分顔見られてないし。
ここなら1週間いたって気づかれない。それ程薄暗い場所だし、なにより米花町から離れてるし。
風邪薬は今飲んでも夕方に飲んでもさほど変わんないでしょ。起きた私に全てを託……
…やっぱり寝るのはダメだ。
今持っている食料は無いに等しいし…今買いに行かないと眠気とダルさで風邪が治るまで多分行かない。それに環境の悪いここなら風邪が治るまで暫くかかるだろうな…
私のことは私がいちばんわかってる。
今行かないと確実に餓死する…
私は重たい足と意識を動かし歩いた。
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作者名:らギ | 作成日時:2024年3月23日 19時