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それは、俺が危惧した言葉だった。
この子の口ぶりからして江戸川コナン=工藤新一だと知っているのは目に見えてわかる。問題はコイツは得体の知れないやつで何処でバレたのか、周囲に言いふらす可能性はあるのかという事だ。
「コナンく〜ん！！危ないから降りてきて！お願い！」
蘭が下から呼んでいるがそれどころでは無い。この少年から目が離せない。
「…呼んでるよ？コナンクン。」
「あぁ。でも俺も人魂騒ぎの犯人を捕まえなくちゃなんねぇんでね。」
「しなくていいよそんなの。」
そいつは少しため息を履いて俺に微毒を吐く。フードで顔が隠れている分、相手は視界が狭いはず。隙をついてこの時計型麻酔銃を撃ち込んでやる。
「そういえば、僕が屋上にいると思ったのは下に足跡が無かったからかい？」
「あぁ。雨だから足跡もくっきり残るしな」
「そう。じゃあ塀に飛び移って逃げてるとは考えなかったのか。」
「…んなの普通の人間には…」
「試してみるか？」
「え」
そういうと少年は白い荷物を担ぎあげ走り出す。そのまま落ちたかと思えば下のベランダの柵に掴まり外側に張り付く。そのまま蹴って届くわけが無いと思っていた奥側の塀に着地した。
「うっ、そだろ、！？」
「ねぇコナンくん、なんでもうこんな時間なのに子供が…！？」
「え？えーっと……！」
「コドモ……僕が君らの探してた人魂だよ。いや、人魂騒ぎの犯人、の方がしっくりくるかな？」
「嘘…！？」
奴はゆっくりと立ち上がり俺らを見上げた。だが此方は暗くて奴の顔はまたも見えない。
「…やあやあ毛利探偵に女子高生さん。…子どもと思うのは僕の背が低いからかい？言っとくけど僕の年齢君と大差ないから。だから次子供って言ったら許さないよ」
子供と言われるのが余程いやらしい。少し声を低くして、まるで俺らに警告するようだ。
「でも名前が無いと子供と称されても仕方がないか…なら」
少し考えた後、雨の音が打ち消さないくらいの、小さい声でこう言った。
自分は《隠神》だと。
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作者名：らギ | 作成日時：2024年3月23日 19時
