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「桜木…A……」


しばらく沈黙が続く。コナンくんの方は何か考えているみたい。まさかこんなにあっさり教えるとは思わなかったのかな。

それとも…



元から私の名前を知っていた…?


「…そんな変な名前だった?」
「いや!?そんな事ないよ!いい名前だね」
「そう?…私は別に良くも悪くも普通くらいだと思うけど。」



いやでも、

この世界で名を名乗るのは初めてのはず…、職質された時も山田花子で無理やり通してたし、名を名乗る場面は避けてきたし……




1度博士と接触した時も名は名乗らなかった…はず、




えっと、あの時は
「そのうち分かりますよ。でも今は貴方達に知られる訳にはいかないんです」
とか言ってはぐらかしたんだっけ。


だから彼は私の名前を知らないはず。自分で見ても私の名前は変でも無いし、


何を考えている…?



ここで聞いてもいいけど、暗いし誰が聞いているかも分からないし、何より信用のおけない私に話してくれるかどうか分からない。

私の疑いが晴れるのを待とう。

その方がなんだか早そうに思える。彼の思考は私の何十何百も先に行っているんだから


「それより、これからは人の跡とか尾けない方がいいよ。悪い人だったら困るでしょ」
「はぁい。じゃあまたね!僕待たせてるから」
「うん。気をつけてね」



…考えてもしょうがないことは考えない。



やるってなると難しいもんなんだよね…





──
─────────


道路脇に停められていた黄色いビートルの扉を開く。

中に入ると、


「新一、どうじゃったか?」
「気づかれたよ。あの感じだと博士のビートルも気づいてそうだな」
「そうか…で、あの子が新一の正体を知ってる謎の子供<隠神>なのか?」
「それはまだ…頭が回って服が一緒ってだけだし…でも名前は聞けた」


そう、名前…




俺は確かにその名前に聞き覚えがあった。




どこで聞いたかも、本当に聞いたのかも思い出せないし分からない。


「博士、桜木Aって知ってるか?」
「桜木…?いや…」
「そうだよな…」


そう多い苗字でもない。ここは1つ調べてみっか。






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作者名:らギ | 作成日時:2024年3月23日 19時

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