, ページ13
「桜木…A……」
しばらく沈黙が続く。コナンくんの方は何か考えているみたい。まさかこんなにあっさり教えるとは思わなかったのかな。
それとも…
元から私の名前を知っていた…?
「…そんな変な名前だった?」
「いや!?そんな事ないよ!いい名前だね」
「そう?…私は別に良くも悪くも普通くらいだと思うけど。」
いやでも、
この世界で名を名乗るのは初めてのはず…、職質された時も山田花子で無理やり通してたし、名を名乗る場面は避けてきたし……
1度博士と接触した時も名は名乗らなかった…はず、
えっと、あの時は
「そのうち分かりますよ。でも今は貴方達に知られる訳にはいかないんです」
とか言ってはぐらかしたんだっけ。
だから彼は私の名前を知らないはず。自分で見ても私の名前は変でも無いし、
何を考えている…?
ここで聞いてもいいけど、暗いし誰が聞いているかも分からないし、何より信用のおけない私に話してくれるかどうか分からない。
私の疑いが晴れるのを待とう。
その方がなんだか早そうに思える。彼の思考は私の何十何百も先に行っているんだから
「それより、これからは人の跡とか尾けない方がいいよ。悪い人だったら困るでしょ」
「はぁい。じゃあまたね!僕待たせてるから」
「うん。気をつけてね」
…考えてもしょうがないことは考えない。
やるってなると難しいもんなんだよね…
──
─────────
道路脇に停められていた黄色いビートルの扉を開く。
中に入ると、
「新一、どうじゃったか?」
「気づかれたよ。あの感じだと博士のビートルも気づいてそうだな」
「そうか…で、あの子が新一の正体を知ってる謎の子供<隠神>なのか?」
「それはまだ…頭が回って服が一緒ってだけだし…でも名前は聞けた」
そう、名前…
俺は確かにその名前に聞き覚えがあった。
どこで聞いたかも、本当に聞いたのかも思い出せないし分からない。
「博士、桜木Aって知ってるか?」
「桜木…?いや…」
「そうだよな…」
そう多い苗字でもない。ここは1つ調べてみっか。
.
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←,
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らギ | 作成日時:2024年3月23日 19時