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「…お迎えは?親御さん心配してるよ」
「大丈夫だよ!すぐ近くに居るから」
「そ、…じゃあ帰りなよ…どしたの?私と喋りたい?」
「うん!」
おお、元気いいね。でも私は君とあんまり喋りたくないかな!
「お姉さんの名前、まだ聞いてないと思って」
私は聴取の時、なんとか名前を言うのを避けてきた。
名前を聞かれそうになったら別の話題を割り込ませて。そのお掛けで佐藤刑事には名前の事は最後まで聞かれなかった。
問題はコナンくんだ。
こやつ言える隙が一瞬でもあれば「そういえばお姉さんの名前ってなんだっけ」って言ってきて話を逸らすネタももう無くなったくらいだ。
さて、名前か…。
今まででも怪しかっただろうにここで避けたら私が隠神確定みたいじゃないか。
私はただ、どうせ本名を言っても偽名扱いされるだろうから言ってないだけなのに。
今後彼の味方になる赤井秀一に。
彼は公安に隠されていたはずの安室さんの本名を探り当てた人物だ。そんな人間にかかれば私は本当ほ存在しない人物…、偽名だって判断になるのは免れないだろう。
そうなればもっとややこしくなる。
だから1年間もの間彼らとの接触をなるべく避けていたのに…。
「多分私とはもう出会わないよ。知っても意味ないんじゃない?」
「でも…僕らは名前教えたのにお姉さんの名前知らないの寂しいな…」
うぐっ、演技だってわかっていても良心が抉られてくる…漫画の主人公をこんな可愛い顔にしてしまうなんて私は魔王か何かなのか…?
私はただのトリップした少女なのに…
でも、これは私にとって究極の二択なんだ。簡単には決めれない。
だからといって時間もかけられない。
それなら……
「───────桜木A。」
あえて不利になりそうな方に行く。
その上で私は君を出し抜くよ
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作者名:らギ | 作成日時:2024年3月23日 19時