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帰路。
といっても、ここが何処だかまるで分からないから適当にフラフラと歩いているだけだけど。
散々な日だった。
コナンくん達が我が家に乗り込んで来て追い出されるし、数km離れた橋下に荷物を置いてコンビニに行ったら強盗に巻き込まれるし、ついでにどこか分からない病院に運ばれてここ何処か分かんないし。
その上…
誰かにつけられてるし。
足音がする。
私のとタイミングを上手く合わせてるけど、曲がり角の度にその音がズレている。
1度違和感を覚えたら全て違和感に感じるってものだ。
これが勘違いという可能性もあるけど、今の私にそんなことを考える気はさらさら無かった。
思い込みの力は1番の味方だし。
やっぱり可愛い私にはストーカーは付き物か。
とか一瞬思ってたけど、よく良く考えれば今私をストーキングしたいのは1人しかいないじゃないか。しかも、私がいちばん関わってはいけないあの子…
尾行に気づいている事を気づかせるために足がつく直前で空中に止める。すると後ろは急な停止に追いつけず足音を鳴らした。
｢…。｣
黙っていても声をかけてこない。しゃーない。おねーさんが声掛けてあげよう。
精神年齢は下だけど
｢奇遇だね。それとも君は奇遇じゃないのかな？…コナンくん｣
｢え、えへ｣
後ろを振り返ると電柱からひょっこりと顔を出した少年が目に入った。
猫を被ってるってことは、まだ確信には至ってないってことでいいのかな。
帰る時間帯が違ったのにどうやってつけて来たかは検討が着く。
少し前、たまたまミラーに映る黄色い車を見つけた。目立つ色だったから印象に残った。
その後数分間行く先々のミラー越しに必ずと言っていいほどその車は映っていた。
ここまで来て気づかないバカはいない。あれは多分ビートルという機種で工藤新一の協力者、阿笠博士なんだろう。
だから左に曲がった後、ビートルが来る前にもう一度曲がって撒いてやった。
そのほんの数分後にこのこの足音が聞こえ始めた。大体の場所が分かれば一足先に歩いてる私の場所を探し当てるのなんてあの高校生探偵なら楽勝だろうね。
私は喫茶店でコナンくんから目を離さないようにしていたから、発信機を付けれられてはないだろう。
だから事件の説明の数分間、私を車で尾行するよう博士にお願いでもしてたって事なんだろうし。
そうでもなきゃ間近で尾行なんて気づかれやすいこと彼がするはずないもの。
．
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作者名：らギ | 作成日時：2024年3月23日 19時
