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俺は急いでカーテンを開ける。カーテンの裏側はかすかに濡れていた。ベランダに出て外を見る。下は雨でほぼ沼地だがそこに足跡は残ってはいなかった。
一階にはベランダはなく降りられるとすれば地面の上か、…奥の刈った草が置いてある所もぎり届くか?だがそれにも大きな凹みは無い。ここから飛び降りればどれだけ軽い人だろうと違和感は出るだろう。つまり、下じゃない。
てか、ちゃんと捨てろよな
「ちょ、コナンくん!?危ない!!」
俺はベランダの柵をよじ登り、そこから屋根に飛び移る。このアパートの屋根は平らな為滑り落ちる心配は無い。
そこには大きな白い袋と子供が立っていた。
身長は140後半、フードを被っていて顔はよく見えないがおそらく小学高学年程しかないだろう。そんな子供がなんで…?
「…酷いなぁ、僕をこの住居から追い出すとか…しかもよりによって雨の日になんてさ。」
「住居侵入罪、不動産侵奪罪。これは犯罪行為だよ。」
「君も、警察や彼女らを騙して暮らしているソレは詐欺罪とかに当たらないのかい?江戸川コナン君」
思わず息を飲む。なんで…
「…、なんで俺の名を…」
「違うでしょ?君がさっき息を飲んだ理由は。」
“なんで俺が蘭達を騙してるって知っている?”
「でしょ?」
「…何者だ?お前は。」
「そもそも。全ては君に1度会うために仕込んだことだったんだよ。
彼女にわざとロウソクの火を見せここに呼んだのも、ロウを垂らして人がいたことを悟らせたのも、君達がここに到着した後にこの屋根に登ったのも、全てね。」
「何が目的だ。何故そこまでして俺に…」
「何者で何が目的か。確かに解明不可能の謎だね。でも、君の頭はそんなくだらない事を考えるために作られた訳じゃない。僕に目的も理念も、名乗る名も無いからね」
「目的が無いなら何故居場所を捨ててまで俺を誘い出した?」
「ただ君に興味があったんだよ。
─────────工藤新一くん」
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作者名:らギ | 作成日時:2024年3月23日 19時