【アイナナ】私を見つけてくれたあなたへ【九条天】

メロディー３３ ページ39

〜天side〜


・・・・最近、Aの帰ってくる時間が遅い

今までは僕と一緒に帰っていたのに

『えっと・・・今日は先に帰ってて！』

『よ、寄りたい場所があるから！』

と、いつも何かしらの理由をつけてどこかへ行く。帰ってくるのも夜の１１時頃。夕飯は用意されてるけど問題はそこじゃない


どこに行ってるか、が問題だ


しかも、最近は楽と妙に仲がいい


そして、その日もAは遅く帰ってきた

「ただいま、天くん」

天「・・・おかえり。どこ行ってたの？」

「え、っと・・・ちょっとね」

ほら、また隠す

天「・・・・楽の所？」

「えっ？」

Aはビクッと反応した

その反応に僕は確信した

天「・・・楽のところ行ってるんだ」

「っ・・うん」

天「・・・何しに行ってるの」

「・・・て、天くんには関係ないでしょ」

そのAの言葉に僕は苛立った

天「だいたい、こんな夜遅くまで男の所にいるなんて何考えてるの」

あれ。僕、何言ってるんだ

「だ、だから天くんに関係は・・・それに私は幽霊だよ？」

天「いくら幽霊でも楽は男だよ。もっと警戒心を持ちなよ」

違う。こんなことが言いたいんじゃない

「・・・なにそれ。楽さんは危ない人だって言いたいの？」

天「そうじゃなくてAの警戒心がなさ過ぎるって事だよ」

「そんなことないし、楽さんだっていい人だよ！」

・・・・なんで、楽を庇うんだよ

天「・・・楽は男なんだよ。その事が分かってない君は警戒心がなさ過ぎなんだよ」

「・・・ちゃんと楽さんの事はわかってるよ。今日の天くんなんかおかしい」

天「・・・は？僕のどこがおかしいの」

「おかしいよ。天くんが仲間をそんなふうにいうなんてなにかあ「Aには関係ないだろ！！」っ！」

僕は気づいたらAの言葉を遮って叫んでいた

「・・・分かった。もういい」

そう言ってAはどこかへ飛び出して行ってしまった



天「・・・・っくそっ」




こんなに苛立つのはなんでだろう





なんでこんなに胸がざわつくんだろう




なんで、こんなに悲しいんだろう

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