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#30「入社試験」 ページ35

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はぁ……逃げてきてしまった…

でも云いたい事は云えたから善いんだよ…ね?







建物の外へと出てきた私は敦くんを置いてきてしまったことに気付いた




大丈夫…かな?







頭の隅でチラつくおじさんの顔





_お前を愛してくれる奴なんて現れないさ





貴「っ……」






太宰さんは私の事好きと云ってくれたけど若しも其れが偽りだとしたら…




今更ながらに疑いの気持ちがこみ上げてくる




というか好きと云われただけで私と太宰さんは付き合っているのかな?



嗚呼…判らないよ


もう判らない








太「Aちゃん、帰ろうか」



貴「えっ……?」






何で居るの…?

太宰さんは何も云わず暖かい眼差しで私の事を見詰めていた







太「お疲れ様…ごめんね、辛かっただろう?」


貴「ゔ……っ……だざいさん…」







太宰さんに抱き締められて涙が零れてやっと判った

私は泣きたかったんだ


涙を受け止めてくれる何かが欲しかったんだ





柔らかな日差しが私達を明るく照らし暖かな風が靡いた





貴「私…ちゃんと云えました…云いたい事ちゃんと…

太宰さん…私、不安だった事聞いていいですか?」





太「ん、なぁに?」






太宰さんは抱き締める力を弱めて私の顔を真っ直ぐと見た






貴「私と太宰さんって付き合ってるんですか?」



太「……どうしてそう思うの?」





即答をしてくれないのは…矢っ張りそういう事?

だけど自分の気持ち伝えなきゃ





貴「だって太宰さんあれから特に何も変わらないし不安になったんです…」




私なんて愛してもらう資格なんて無いけれど

一度でも甘い誘惑に乗せられてしまえばもう戻れない





貴「…?太宰さっ…」



黙り込む太宰さんを不思議に思い覗き込むと不意に唇を塞がれ壁に押し付けられた





太「ふふ、可愛い事を云うのだね。私はAちゃんの事が大好きだよ?だからこそ大切にしたいと思っていたのだけど…


そんな事云われたらいくら私でも歯止めが利かない」




綺麗な顔で微笑むと破壊力が抜群で私の心臓は爆発寸前だ





太「私は付き合っているつもりだったのだけど…Aちゃんは違う?」



貴「い、いえ…!」




顔を背けようとしても太宰さんに頬を掴まれて目線が合ったまま



恥ずかしい……




太「ふふ、可愛い」




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#31「合格」→←#29「愛してくれる人」



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牛乳内容(プロフ) - はーい!お師匠さま! (2017年8月24日 13時) (レス) id: a3a26c06ed (このIDを非表示/違反報告)
恋羽(プロフ) - 牛乳内容さん» ありがと〜!!すっごい嬉しい…!次回作楽しみにしててねw (2017年8月24日 13時) (レス) id: 7951348906 (このIDを非表示/違反報告)
牛乳内容(プロフ) - お疲れさまです 次回作楽しみにしてます。(゜∀゜)こちらこそありがとうございました( ´艸`) (2017年8月24日 13時) (レス) id: a3a26c06ed (このIDを非表示/違反報告)
恋羽(プロフ) - 秋桜さん» ありがと〜!これが私の限界だ( ˙-˙ ) (2017年8月23日 10時) (レス) id: 7951348906 (このIDを非表示/違反報告)
秋桜(プロフ) - 恋羽さん» 完結おめでとぉぉぉぉぉ(´∀`*)リクの後半楽しにしてるね♪存分にエロくして下さい(*^^*) (2017年8月22日 22時) (レス) id: 2e1af1fbd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋羽 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月26日 21時

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