1日目(1/6)宵の宴【鈴鳴】 ページ8
「神話じゃないが、四国には狐が居ないらしいのぉ。」
「そうなんですか?」
「四国には狸の勢力が強く、狐は追い出されたらしい。じゃから、四国には狐の伝説がないらしいのじゃ。特に伊予の国、愛媛の狸伝説は色濃く残って語り継がれてるのじゃ。」
神酒を一口含み、桜羅は続けた。
「私も伊予の国に行ったことがあるが、化け狸どもに睨まれて一気に襲撃をかけられての、ゆっくり観光もできんかった。」
黒狐は少し青ざめいた。黒髪の少女は何かボソリと呟いて、少し顔を青くしていた。
「僕は大丈夫ですよね。」
「大丈夫じゃろうが、境界線がもろくなっとるから早めに直さんとやばいじゃろうなぁ。」
「そうですよね。」
「そこの黒狐。顔が青いがどうした?何か苦い思いでもしたか?」
『お主は恐ろしないのか?』
「恐ろしくはないな。ただ化け狸、狢の総大将隠神刑部が居るから余り倒さない方が良いのだがな。」
『その割にはお主、余裕そうだが・・・』
「あー全部倒したが?」
その後、一人と二匹は少しの間固まっていた。
「あんたら、どうした?固まって。」
「大丈夫だったんですか!?隠神刑部って相当な大物じゃ無いんですか!」
「そうなに強いんですか?それじゃあ・・・」
「わっちは薬屋をやっておっての、その常連で、薬を一月の間ただにするってことで無しにして貰った訳じゃ。」
「薬屋やってたんですか。」
「ああ、新月って名前でな。興味があれば来るとよい。安く売ってやるでの。」
「私は行けません。」
「僕もです。」
「白蛇の主の理由は大体察するが、黒狐の主の方は何故じゃ?」
「私はあんまりそう言う所嫌いなんです。」
「そうか。」
そう言うと阿水に近づき、すみれ色のペンダントを眺めていた。
「な、何ですか!」
「そう騒ぐでない。ペンダントに触れても良いかのぉ。」
「だめです。母の形見なので。」
「そうか。手を出してくれんか?」
「・・・分かりました。」
桜羅が手首を掴むと黄金色の魔法陣が手首に表れた。
『お前、何をした!』
「あんたには悪いが人間では無い物の干渉を防いだ。等分、こいつに憑かれる事もあるまい。それに妖怪からも見えなくなる。此処に入る者以外はな。」
「有り難う、ございます。」
「いいのじゃ。だから、来ると良い。後、白蛇の主。」
「僕?」
「あんたは特別じゃ。病名を伝えてくれれば此処まで届けてやるでな。安心せい。暇潰しの相手にもなってやるでの。」
そう言って、にいっと笑った
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奥羽♪ - 更新しました (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新しました!! (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
七見(プロフ) - 更新しました! (2017年12月26日 13時) (レス) id: ced2403378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄昏猫 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年7月17日 20時