検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:7,882 hit

1日目(1/6)宵の宴【鈴鳴】 ページ8

「神話じゃないが、四国には狐が居ないらしいのぉ。」
「そうなんですか?」
「四国には狸の勢力が強く、狐は追い出されたらしい。じゃから、四国には狐の伝説がないらしいのじゃ。特に伊予の国、愛媛の狸伝説は色濃く残って語り継がれてるのじゃ。」

神酒を一口含み、桜羅は続けた。

「私も伊予の国に行ったことがあるが、化け狸どもに睨まれて一気に襲撃をかけられての、ゆっくり観光もできんかった。」

黒狐は少し青ざめいた。黒髪の少女は何かボソリと呟いて、少し顔を青くしていた。

「僕は大丈夫ですよね。」
「大丈夫じゃろうが、境界線がもろくなっとるから早めに直さんとやばいじゃろうなぁ。」
「そうですよね。」
「そこの黒狐。顔が青いがどうした?何か苦い思いでもしたか?」
『お主は恐ろしないのか?』
「恐ろしくはないな。ただ化け狸、狢の総大将隠神刑部が居るから余り倒さない方が良いのだがな。」
『その割にはお主、余裕そうだが・・・』
「あー全部倒したが?」

その後、一人と二匹は少しの間固まっていた。

「あんたら、どうした?固まって。」
「大丈夫だったんですか!?隠神刑部って相当な大物じゃ無いんですか!」
「そうなに強いんですか?それじゃあ・・・」
「わっちは薬屋をやっておっての、その常連で、薬を一月の間ただにするってことで無しにして貰った訳じゃ。」
「薬屋やってたんですか。」
「ああ、新月って名前でな。興味があれば来るとよい。安く売ってやるでの。」
「私は行けません。」
「僕もです。」
「白蛇の主の理由は大体察するが、黒狐の主の方は何故じゃ?」
「私はあんまりそう言う所嫌いなんです。」
「そうか。」

そう言うと阿水に近づき、すみれ色のペンダントを眺めていた。

「な、何ですか!」
「そう騒ぐでない。ペンダントに触れても良いかのぉ。」
「だめです。母の形見なので。」
「そうか。手を出してくれんか?」
「・・・分かりました。」

桜羅が手首を掴むと黄金色の魔法陣が手首に表れた。

『お前、何をした!』
「あんたには悪いが人間では無い物の干渉を防いだ。等分、こいつに憑かれる事もあるまい。それに妖怪からも見えなくなる。此処に入る者以外はな。」
「有り難う、ございます。」
「いいのじゃ。だから、来ると良い。後、白蛇の主。」
「僕?」
「あんたは特別じゃ。病名を伝えてくれれば此処まで届けてやるでな。安心せい。暇潰しの相手にもなってやるでの。」

そう言って、にいっと笑った

1日目(1/7)触らぬ神に祟りなし【水仙】→←1日目(1/5)憑き物と少女【阿水】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:妖ノ宴 , 募集企画 , オリジナル , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

奥羽♪ - 更新しました (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新しました!! (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
七見(プロフ) - 更新しました! (2017年12月26日 13時) (レス) id: ced2403378 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黄昏猫 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年7月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。