【小説】百花繚乱妖ノ宴【募集企画】 (ページ31)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:7,890 hit

二日目(２/8)影と仲間【阿水百子】ページ31

『阿水、阿水、』
「ん？ここは？」

そこは全体がとても暗かった｡

『やっと起きたか｡』
「あんたがここに居るってことは！！」
『そなたの体を少し拝見している。』
「返せ！！私の体を！！」

黒狐の胸ぐらを掴む｡

『そんなに憎しみを込めてつかんでも、わらわにはキキハシナイノニ｡』
「くそッ！！」
『霧雨、犬崎、鈴鳴と言ったか、あの奴たちは｡』
「あの人たちは何も関係ない！！」
『仲間を作ってどうする、また人を殺す気か？』
「違う！！仲間じゃない！！」
『じゃあなんじゃ？』
「ッ！！」
『弱い奴等でむれてどうする、また力が欲しくなるだけじゃ、そのためにまた殺す、
｡』
「あれは私のせいじゃない！！」
『ただでさえあの者たちはわらわの邪魔でしかないのに｡』
「違う！！」
「私は殺してない！！」
『いいや殺した』
『いつもそうだ、お前は罪悪感も知らずに殺す、前世のお前もそうだった、正義ぶって"龍賀様"に手を出して、いつもわらわを不幸にして｡』
「違う！！」
『いや、そうじゃ｡』
『わらわが助けてやろう｡お前にはわらわしかおらん。』
涙が頬をつたる。
『くっ。あの者たちめ｡わらわにこんなことしてすむ気か｡』

黒狐が離れていく。
無表情で光のない目から涙を流している私から。

『絶対にお前の力になる。このいまいましい呪詛を解いて、こんなものわらわを舐めておる。
　わらわの亡き友、"赭狐"と共に｡』

そう言い黒狐は、消えていった。