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1日目(1/2) 【鈴鳴】 ページ4

雑音が混じるこの町の中に気だるげな少女が立っていた。

「この国は雑念がありすぎて困る。」

その少女は耳を塞ぐが指の間や細胞の間から雑音が入り込んでくる。
少女は諦めてその手をおろした。
その少女の名前は鈴鳴 桜羅。狐憑の末永だ。

「此処にいても退屈なだけ。移動しよ。」

桜羅はスタスタと人混をすり抜けて進んでいくとある神社についた。
そこで黒のチョーカーを外すと、項に鈴の紋様が見えた。
鈴の音が鳴り響くと、そこには人の形をした狐が立っていた。

「此処が落ち着くのォ。一服するか。」

手際よく、煙管に火を付け、煙を吐き出した。

「退屈じゃのぉ。何か面白い事でも起こるといいのじゃが。」

ふと、片目で横を見ると一部の背景が歪んでいた。
木上から降りて、近づき、触れると吸い込むような感覚が残った。

「時空の神社の入り口かの?滅多にお目にかかれないが面倒事にも巻き込まれたくない。うむ、困った。どちらが正しいのかの?」

好奇心と言うものは少なくても凄く強い不思議な物のようですぐに勝ってしまった。

「どちら様でしょうか?」
「ほぉ、狐のお面か。言い伝えは本当だったのじゃのぉ。感心じゃ。あぁ、いい忘れていたの。わっちは鈴鳴 桜羅。狐憑。憑き物筋じゃ。」
「人間。」
「そんな警戒せんでもわっちは人間と妖怪の合い中じゃ。まぁ、どちらでもええが、出来れば妖怪扱いの方が嬉しいのじゃ。何分人間はにがてでの。」
「・・・」
「怖い顔をするでない。人間の言うことは信用できんと言うのはよう分かるが、これだけ警戒されてはわっちも困るでな。」

面を着けた少女は肩をびくつかせた。
思いを悟ったように桜羅は続けた。

「あんたを騙そうなんて思ったことはない。いい神酒を持ってきた。一人で飲むのも味気ない。相手をしてくれないか?宴などやったことがなかろうか?まぁ、どちらにせよいい思い出になるのではないか?」

そう言って、ふわりと微笑んだ。


白夜の幻想者さん少し絡まして頂きました!

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奥羽♪ - 更新しました (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新しました!! (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
七見(プロフ) - 更新しました! (2017年12月26日 13時) (レス) id: ced2403378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黄昏猫 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年7月17日 20時

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