【小説】百花繚乱妖ノ宴【募集企画】 (ページ29)

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二日目(2/7)厄介な影【鈴鳴桜羅】ページ29

「・・・おっと」

桜羅は百子を寸でで止めた。
沙羅は影を睨み付けていった

「二人とも軽い結界をはっといた方がええ、来るぞ。」

それを言ったとたん、強風と共に散った桜の花びらが舞い上がる。
結界を張っていたが、それに飛ばされて1・2回地面を転がる。

「はぁ・・・はぁ・・・強力な霊力じゃ。こりゃわっち一人では勝てる確率はないに等しいのぉ。」
「桜羅さん！/すず！」

桜羅を見ると、巫女装束はズタズタ、小さい切り傷が無数にあり、地面を転々と赤く濡らしていた。
駆け寄ろうとする二人を掌を向け制止させ、前を見る様に顎で合図する。
合図に従うと、向かい合った二人の間を何かがものすごいスピードで通り過ぎた。
二人の髪が数本空を舞う。
斬りつけようと、何かを振り上げてきたが二人は結界を張ってその場をしのいだ。

「これを使って、恋！」
「桜羅、なにこれ？」
「狐封じの札に私の霊力を使って改造したもの。その黒狐には絶対効く。」
「分かった。桜羅は安静にしといて！」
「はいはい、分かった。無理はしないでよ、二人とも。」

最後の声は独り言となって消えた。
桜羅は自分の傷だらけの体をなめ間をすように見て、下にある赤く染まった桜を見ると、それを集めて、先ほど百子のいた所にばら撒くと、五芒星を書きだした。

「汝、この力遣わし時、的沈む。捕縛：結血花
ーーーーーーー的ここに伏し給え。」

すると、五芒星の上に黄色い目をした百子が現れる。
所何処に術の痕跡もあり、桜羅の札が百子の肩に張り付いていて明らかに弱っていた。

「くくく・・・僕をこんなに傷つけてー。仮にも百子の体だよー。良心が痛まないのかなぁー。」
「私も、友達にこれ以上傷ついてほしくないだから・・・手早く済ませるとしようかのぉ」