1日目 (1/4) 隙間の宴 【霧風】 ページ6
『…主様。何者かがこちらに向かってきています』
「分かってるよフィン。…どうやら“境界線”があやふやになってる見たい。」
僕は仮面を付けながら答える。
本来ならここには何人共入れない“時空の狭間”に位置する神社。
余程の力……“神格”を持つ何者か、思い詰めたもののみが稀に迷い込む。
だけど、何故か境界があやふやになって、切れ目でも出来てしまったらしい。
とりあえず、確認の為に切れ目のとこまで行くと、真っ白な長髪の女の子が入ってきた。
僕とよく似た洋服を来ていて、どうやら八本の尾を持つ、半妖の付き物筋らしい。
「どちら様でしょうか?」
僕が聞くと、彼女はタバコを吐きながら
「ほぉ、狐のお面か。言い伝えは本当だったのじゃのぉ。感心じゃ。あぁ、いい忘れていたの。わっちは鈴鳴 桜羅。狐憑。憑き物筋じゃ。」
と紹介した。僕は「人間。」と言いながら少し後すざりする。
彼女は困った顔をして色々と話し掛けてくるが、いまいち警戒が解けず黙ってるとお酒を差し出して
「あんたを騙そうなんて思ったことはない。いい神酒を持ってきた。一人で飲むのも味気ない。相手をしてくれないか?宴などやったことがなかろうか?まぁ、どちらにせよいい思い出になるのではないか?」
と笑って来た。
未だに信用はしてないが、受け取る。
中を嗅いでみると、本当にただの神酒だった。
僕は彼女を桜の下のテーブルに案内する。
…少しして…また何者かの気配を感じた。
今度は確かな人間と付き物筋。黒狐だ。
「すみません……少々お待ちください。フィン」
そう言ってフィンを呼ぶと、桜羅は少し驚いていた。
切れ目を見ると、漆黒の長髪を持つ少女が居た。
どうせなので引き入れてみると、彼女は驚いて目を丸くした。
そして、彼女の額に少し手を当てた。
途端、黒狐と少女は離れた。
両者は驚いて顔を見合わせる
「すみません、勝手にここに引き込んで…。どうせ宴ならば人数が居たほうが楽しいでしょう。…後、ここでは付き物筋は離れてもらいます」
「は、離れて?」
「離れて、とはここでは付き物?が付いていない状態を言っています。僕も此処で何かされては困ってしまいます。ただでさえ貴方は巫女の血を持つ様なので少し封じさせてもらいました。」
そう言って彼女を桜羅さんが待つテーブルへと案内した。
「此処では貴方は人間です。どうぞちょっとした宴に参加してください。」
そう言いつつ果物を差し出し、席に座った。
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奥羽♪ - 更新しました (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2018年1月20日 23時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新しました!! (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
奥羽♪ - 更新します (2017年12月27日 13時) (レス) id: 92252edc3a (このIDを非表示/違反報告)
七見(プロフ) - 更新しました! (2017年12月26日 13時) (レス) id: ced2403378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄昏猫 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年7月17日 20時