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視点:音羽12歳



『…はぁっ!はぁっ!』


俺は万屋の店主から花冠を受け取ると全速力で父の元へと走っていた。


(随分と遅くなってしまった!もう日も沈んでいる!これは母さんに怒られるな…。いやその前に父さんか)


どう謝ろうか考えている間に父と別れた場所に戻ってきた。しかし、そこに父の姿は見えない。


『……父さん?』


父がいたであろう場所には俺が置いていった荷物と父が持っていた野菜籠、そして俺がつい先程あげた手拭いが無造作に落ちていた。

…冷や汗が背中を伝った。父に何かあったのだろうか。だとしたらどうすれば。
気持ちは焦っていたが、頭は冷静だった。


(…とにかく、一度家に戻ろう。父が逃げ帰っているかもしれない。そうでなくとも帰りの遅い俺たちに母さん達も心配しているだろう。まずは安心させないと)


父の行方を気にしながらも、落ちていたものを拾い上げ、目と鼻の先にある家へと帰ることにした。

陸→←肆



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実弥 - 更新ファイト! (2020年12月19日 19時) (レス) id: e16b3d02e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大きなくまさん | 作成日時:2020年8月29日 23時

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