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視点:音羽12歳
寂静「じゃあ、行ってくる」
『行ってきます』
弦音、鈴「「行ってらっしゃい。気をつけてね」」
静、羽音「「行ってらっしゃーーい!!」」
昼餉も食べ終わり、昨年までは父だけだったが今年は俺も野菜を売りに父と町へと向かう。
この時期は野菜がよく売れる。特に今年は他の畑が不作なので買う人が多い。昨年よりも多く売らないといけないため、俺も偶に手伝うこととなったのだ。
寂静「…それ、つけてきたのか?」
『それ?…ああ、花冠のこと?…うん、静と羽音が作ったんだって町の人に自慢したくて』
寂静「…!…俺も持ってくれば良かったな…」
照れて言う俺に対して悲しげな雰囲気でそう返した父に、(…あのただの落ち葉を?)と疑問に思ったがその言葉を心に隠し、そうだねと適当に相槌を打っておいた。
町に着くと効率性を考え、二手に分かれて売ることにした。
「お!今日は坊主も来たのか?」「可愛い花冠だねぇ」「野菜を売っておくれ」「家族へお土産にどうだい?」
『量が多いので手伝いで!』『妹と弟が作ったんです!上手でしょ?』『はーい、今すぐ!』『後で買いにきますね!』
売り始めると顔馴染みの人に声をかけられる。それを一つ一つ対処しながら野菜を売り捌いていき、全てが売れる頃には日が沈み始めていた。
「おーい、家族にお土産いらないかい?安くするよ!」
『あ、さっきの!』
そろそろ父と合流しようかと思っていたとき、先程の人に声をかけられた。
(…まだ少し時間はあるし、大丈夫かな)
『…じゃあ、少しだけ見てみてもいいですか?』
俺は手元にある小遣いを確認し、はにかみながらそう返した。
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実弥 - 更新ファイト! (2020年12月19日 19時) (レス) id: e16b3d02e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大きなくまさん | 作成日時:2020年8月29日 23時