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視点:不死川実弥
音羽「…俺、鬼殺隊に入りたいです。そんで、鬼をこの手でぶった斬って、鬼のいない世界を作ってやる…!」
音羽と名乗ったソイツは俺と同じような復讐の眼をしながらそう言った。
正直見ていられなかった。音羽に会ってからずっとそうだ。生き別れた弟と同じくらいの年齢の奴は何人も見てきたし、弟を思い出すことも何度かあったがそれだけだった。しかし、何故か音羽は弟の姿と重なってしまう。
だからこそ、こいつを鬼殺隊に入れたくないと思った。しかし、自分の手で仇を討ちたいという願いは痛いほどわかる。
(………クソが…)
そもそもこの世界に鬼がいるのが悪いのだ。鬼さえいなければ…
匡近「……一度お姉さんのもとへ向かおうか。」
音羽「…はい」
姉が心配だったんだろう。ソイツは匡近の提案に素直に頷いた。
音羽のことは隠に任せて俺たちはまた次の任務地へと足を向ける。
脳裏には先程音羽と重ねた弟の姿が焼きついていた。
未練がましく弟を思い出す自分に心底腹が立つ。
(アイツは俺のいないところで幸せになるんだ。そうならなくてはいけない
そのためにも俺は鬼を滅ぼす…!)
自分への苛立ちも全て鬼への執念とし、明るくなる空を見ながら次の任務地へと向かうのであった
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実弥 - 更新ファイト! (2020年12月19日 19時) (レス) id: e16b3d02e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大きなくまさん | 作成日時:2020年8月29日 23時