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視点:音羽12歳



『…あの、これは?』


いきなり現れた黒装束に少し不安になる。


匡近「隠といってね。裏方の仕事をしてくれているんだ。大丈夫。仕事は丁寧だし、腕も確かだ。

…あ、自己紹介がまだだったね。俺は匡近。こっちの目つき悪いのが実弥だ」

『…音羽、です』

匡近「埋葬するんだよね。俺たちも手伝うよ」

実弥「…俺はしねェ。別の鬼を探してくるぜェ」

匡近「そういわずに。もう夜明けも近いし、今から探しても見つからないだろ。」

実弥「……チッ!」


実弥さん舌打ちをすると家の外に出て穴を掘り始めた。どうやら手伝ってくれるらしい。
匡近その様子を見て満足そうな顔で作業に移った。俺もそれに倣い、弟の体をゆっくりと持ち上げた。


遺体を全て運び終わる頃には日も上がり、辺りも明るくなっていた。実弥さんが掘ってくれた穴に家族の遺体、父の着物、俺がお土産にと買った品、そして花冠をいれ土をかぶせていく。

家族が眠る土の前で手を合わせた。後悔が溢れ出てくる。


(…助けられなくてごめん。…痛い思いをさせてごめん。

…俺が花冠を忘れなければみんなは助かったのだろうか。俺の足が早かったら襲われる前に助けられたのだろうか。

…俺がもっと強ければ……あれ?)

『…あの、』


合わせていた手をおろし、一緒に手を合わせてくれていた2人に向き直る。


『…俺、あの時化け物…鬼の頭を捻り取ったのにあいつ再生して動いてたんです。
…実弥さんは、どうやって倒したんですか』


実弥「…鬼は陽の光を嫌う。俺らが持ってる刀はその弱点をついたモンだァ。…お前が使ってた鍬じゃ無理だなァ」


『…その刀はどこで手に入るんですか』


匡近「鬼殺隊といって、命がけで鬼と戦うところに入隊しないといけない。普通では手に入らないんだ」



『…あの鬼は元は父さんだった…なんで父さんは、鬼になってしまったんですか

…なんで父さんは…母さんを…妹弟を…襲っていたんですか』


匡近「…鬼舞辻無惨という鬼の血を体内に」


(じゃあ、鬼殺隊に入れば鬼を倒せるのか

…じゃあ、鬼殺隊に入れば復讐ができるのか



なら…)






『…俺、鬼殺隊に入りたいです。そんで、鬼をこの手でぶった斬って、鬼のいない世界を作ってやる…!』




この絶望を壊してやる

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実弥 - 更新ファイト! (2020年12月19日 19時) (レス) id: e16b3d02e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:大きなくまさん | 作成日時:2020年8月29日 23時

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