47《治療》 ページ47
お風呂から上がって部屋に行くと、カカシさんが本を読んでいた。
『カカシさん…お風呂もう入っちゃったんですか?』
「ん?あぁ、まぁね。」
本を閉じて、カカシさんはリュックを引き寄せると中から小さなポーチを取り出した。
「ほら、A。こっちおいで。」
『え?』
カカシさんのその言葉に私は素直にカカシさんの元に近寄った。
「お前、今日はずっと手裏剣投げてたでしょ?手のひらのマメ、潰れてるんじゃないの?」
『あ…はい、少しだけですけど…でもこのくらい何でもないですよ…?』
これからもっと手裏剣を投げるんだ。
マメももっとできるに違いない。
それに、このくらいで痛がってちゃ修行できない。
「…それでも、傷は早めに治療しておかないとね。」
そう言ってカカシさんは私の手のひらの潰れたマメに消毒液を落として治療してくれた。
少ししみる痛みも、どこか清々しくて。
『カカシさん、これからよろしくお願いします。…私、もっと強くなりたいです。』
「そう言うだろうと思ってたよ。お前はどうやら負けず嫌いみたいだしね。」
マメに絆創膏を貼ってカカシさんは微笑んだ。
その微笑みに私も笑顔で返す。
「明日もまた夜には宿に泊まる。明日は行くまでの道でまた同じ手裏剣の修行をするからな。…今のうちに作戦をしっかり考えておきなさいよ。」
『はい。』
私はしっかりと頷いて、カカシさんに治療のお礼を言う。
その日はご飯をしっかり食べて、私は布団を敷くとさっさと布団に入った。
布団の中で、何通りもの作戦を考えながら私はゆっくりと眠りについた。
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作者名:珠羅《SHURA》 | 作者ホームページ:http://lyze.jp/yomosugara47/
作成日時:2018年2月10日 15時