28《期待》 ページ28
「どうじゃ?」
『ま、まず…私は卒業できても下忍です。カカシさんみたいな上忍の任務にはついていけません…。』
「最初は当然、Dランクからじゃな。お主の動きによって対応するからそこは安心して良い。」
『それから、ただでさえカカシさんには家にもお邪魔しているのにこれ以上面倒をかけるわけにも…。』
チラリと横目でカカシさんを見ながらそう言うと、三代目は軽く目を見開いた。
「何じゃ、カカシから聞いておらんのか?」
『え?』
顔を上げると、三代目は笑顔を見せた。
「この提案を持ちかけてきたのはカカシからじゃ。」
『えぇ!?』
その言葉に私はカカシさんを見た。
カカシさんはため息混じりに私を見て、呆れるような口調で言った。
「元々、三代目には卒業後は火影様のサポートをするのが良いんじゃないかと勧められたんだけどね。…お前を見てて案外任務に連れて行っても大丈夫そうだし、少しでもお前と過ごしている時間が長いオレの方がお前をわかってる。…ま、お前の将来性に賭けてみようと思ってね。」
『で、でも私全然まだまだ…』
「だから少しずつでもやっていけば良いでしょ。…修行を見てる限り、お前の動きは悪くないよ。」
カカシさんの思ってもない言葉に私はただただ混乱した。
その混乱を抑えてくれたのは三代目だった。
「…と、カカシは言うておってな。そこまでお主の能力を理解しているカカシに、どれ1つ任せてみようと思ってな。」
『あ…。』
そうか、カカシさんはずっと修行に付き合ってくれてその上でこんな判断をしてくれてるんだ。
だとしたら、私が自信を失ったらダメだ。
ここまで期待してくれてるなら、その期待に応えなきゃいけない。
『わかりました。今後もご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします!』
「うむ、良い返事じゃ。」
きっと、ここまで私を思ってくれる人たちはいない。
私は2人に深く頭を下げた。
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作者名:珠羅《SHURA》 | 作者ホームページ:http://lyze.jp/yomosugara47/
作成日時:2018年2月10日 15時