この恋、私の完全勝利 (ページ6)

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6￤図書館ページ6

「人多いね」

「夏休みだからだろ」

手を繋ぎ図書館にやって来た私達

図書館に入ると勉強をしている学生がたくさんいた

静かな図書館にコンコンとペンを動かす音だけが響く

「…あっ、田中くんあそこ空いてるよ」

「おっ！ラッキー」

他の人の妨げにならないように小さな声でコソコソ話す私達

「図書館って俺初めて来たわ」

「だろうね。来なさそうだもん」

「でしょ。あっ、今日さ教えてほしいとこなんだけど…」

田中くんはリュックからこの前の数学のテスト用紙と数学の教科書、そしてほとんど何も書かれてないノートを出してくる

「…田中くん、授業ノートはちゃんととろうね」

私は田中くんが出したノートをパラパラめくりながら言う

「数学の授業訳わかんなすぎて眠くなんだよな～」

田中くんは頭を掻きながらそう言う

「田中くん、数学じゃなくても寝てるじゃん」

「えっ、バレてた？」

「いびきうるさいもん」

「うそ！まじ！」

なんて大声を上げる。すると周りにいた人達の視線がこちらに向く

「しっ、田中くんここ図書館」

「あ……すみません……」

彼は肩を落とし小さく謝る