悪女はまだまだ物足りない

弐 ページ4

私が連れて行かれたのは屋敷の裏だった


こんなところに何の用だろう…？


『話って何？何でも聞くよ？』


愛「実は私、さっきの声、作ってたの」


『そうなの？私は、今の声の方が綺麗で好きだよ』


愛「そう？嬉しいこと言ってくれるじゃない。でもね、私！愛されたい！」


『愛されたい？みんなと仲良くしたら愛されるんじゃないかな？』


愛「それよりも…もっと簡単に！だから！」


『…？』


愛「悪女になってくれない？」


そう言うと私の刀を取り出し、愛佳ちゃんの腕を刺した


勿論、愛佳ちゃん自身の手で。


愛「キャーーーーーー」


『！？何してるの！？手当てしなきゃ…！』


し「何かあった…！？Aさん、何してるんですか！？」


『違う！私の刀で自分で刺してたの！』


愛「Aちゃんにぃ、刺されたのぉ！「愛されたい」って言って、刺してきたのぉ！」


は！？


何平気で嘘ついてんの！？


『違う！何普通に嘘ついてるの！？』


蜜「どうかし…愛佳ちゃん！その腕！この刀…まさか！」ｷｯ


蜜摛ちゃんが私を睨む


『だから違う…』


小「甘露寺がいうのだから正しいのだろう。何故刺した？」


いや、君は自分の意思じゃないの？


『だから違うってば！』


無「A？A！どうしたの！？…こいつ…」


『無一郎くん、違うの！愛佳ちゃんが私の刀を取って自分で刺してたの！』


無「僕は…Aの味方。」


…！


『…ありがとう』


無「ううん。で？何でこんな事になってるの？」


愛「私ぃ、Aちゃんにぃ、刺されたのぉ！」


し「時透さん。離れて下さい。刺されるかもしれません」


『私は刺したりしてない！刺さない！』


無「そうだよ。それは何を根拠に言ってるの？証拠は？現場を見た人はいるの？」


無一郎くん…


し「…っ！」


愛「な、何でそっちの味方になるのよぉ！私が刺されたのにぃ」


何で…何でこんな事になるの…？


『私は…』


小「何だ、自首するのか？」


『私は…話があるって言われてついて行ってただけ！いきなり愛されたいって愛佳ちゃんが言い出して、相談に乗ってたら私の刀を取って刺したの！愛佳ちゃんが自分自身の手で！』


私は全てを話した


でも、聞いてくれたとしても味方にはなってくれやしない


し「…愛佳さん、行きましょう」


その言葉でみんな歩いて行った


『そんな…どうしてっ…』


無「…大丈夫。僕は…信じてるから」


それから私は泣き出してしまった

参→←壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す