前世は柱、今世はアイドル【２】

肆拾弐 ページ9

暗闇。

また、いつもみたいな暗闇をひたすら歩く。

奥には光が照らされているけど、あと一歩ってところで元の位置に戻ってしまう

嗚呼、私はどうなってしまうのだろうか

そんな時、微かに声が聞こえた気がした

無「…いっ！起きてっ！」

起きる？

…ああ、これは、私が眠ってる時の夢なんだ

早く起きないと…

でも、起きたところで悪口を言われるの？

そして私はまた立ち止まってしまった

有「…きろ。…すぐ、起きてくれ。」

後半はちゃんと聞こえた

起きてくれ。

有一郎君の声だった

私に起きて欲しいの？

こんな私なのに？

メンバーにも裏切られた私だよ？良いの？

すると、また声が聞こえてきた

杏「うむ！まだ起きないのか！悲しいことだ！よもや、よもや！」

煉獄さん…？

私の事、嫌いなんじゃ…

し「お願いします、目を覚ましてください。…あなたに死んでもらっても、私は悲しいだけですよ。もう、失ったりはしたくないんです。あの時、約束しましたよね…」

しのぶちゃん…

リーダー変わって欲しかったんでしょ？

私なんか気にしないでも……

義「(起き)てくれ」

言葉が足りてないよ、冨岡さん…

もう、私の事嫌いなんでしょ？ね、そうなんだよね？

天「何で急に寝ちまうんだよ…。派手に起きろよ」

派手に起きるって…何？

それに、宇髄さんも地味な私は嫌なんだよね？

なら、派手に放っておいて欲しいな

行「可哀想に…どうして眠ってしまうのだ…心配しかしない…お願いだから…目を覚ましてからはしないか…南無阿弥陀仏」

私は生まれた事自体が可哀想でしょ？

…そう言ってよ、じゃないと…

じゃないとまた甘えてしまう…！

実「早く起きろォ。Aがいねェと、仕事が進まねェ。…起きろ、待ってるからなァ」

不死川さん…

どうして、私を待つの？

嫌なら嫌って言ってよ、お願い…！

蜜「目を覚まして！キュンキュンするAちゃんがいないと、楽しくないの…！」

キュンキュンするの？私に？

キュンキュンしないんじゃなかった？

ほら、泣き止んでよ。可愛いお顔が台無しよ

小「良い加減目を覚ませ。甘露寺を泣かせるな。そして…早く起きてくれ、頼んだぞ」

ごめんね、私のせいで蜜摛ちゃん泣かせちゃったね…

目を覚まして欲しいのなら、嫌いなんて言わないで欲しかったなぁ

無「起きてよ、また笑顔を向けてくれないの？」

笑顔？私の笑顔はどんな笑顔？

気持ち悪い笑顔？

…私、起きたい

どうしても皆んなと会いたい

もし、また嫌われても

『……ん、…みん、な…』ﾆｺｯ

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