幻 ページ34
歓迎会から戻り、私の部屋に戻った時。見覚えのある少女が、まるで私のことを待っていたかのように立っていた。真奈ちゃんだ。
でも･･･。悲しそうな目をしてる。
真奈「･･･友紀」
友紀「ど、どうしたの？どうして、そんな･･･」
ゆっくりと口を開いた。
真奈「貴方は、早くこの世界から抜け出した方がいい」
分かってるよ。でも、分からないよ。私だって早く戻りたい。でも、何も分からない。
真奈「『真実の島』」
友紀「え？」
真奈「『真実の島』に、行くの」
真実の島？聞いたけど。
でも、どうやって？
真奈「私、行き方を知ってる」
あの、知ってるとか、そう言うんじゃなくて･･･もっと、こう･･･道筋を教えて欲しい。
真奈「貴方を狙ってる奴らがいる。そいつらに捕まる前に、一緒に行かないと」
それは聞いたけど･･･。
真奈「貴方は、真実に辿りつかねばならないの。そうしないと、今にも奴らに･･･殺される」
友紀「ッ･･･！ どうして殺されないといけないの？私何もしてないし、奴らって、何？」
本当、何なのだろう？私の知らないことばかり、どうして知ってるのだろう？
真奈「貴方の母親の過去。それに、全ての答えはある。でも、貴方が本の中でみたものが全てではない。あれは断片に過ぎない･･･」
じゃあ･･･また、本から鈴の音がなって、そこに行けば！
真奈「無理ね」
友紀「な、なんで？」
真奈「もう、時間になってしまった。本が教えてくれる真実は、限られているの」
友紀「そんな･･･」
私、まだ･･･。
真奈「･･･？」
友紀「あ･･･！」
消えてってる･･･！やだ、消えないで！
真奈「忘れないで」
友紀「え･･･な、何･･･？」
真奈「運命は、貴方が決めるもの。他者に決められるものではない。自分で、自分の運命を見通すの」
また･･･消えた。
何も分からないまま。
でも、分かったのは、もう、私は、本の中に入れないという事。
･･･ああ。
『帰還の島』を、探さないと、いけない。
でも、そこに行くには･･･船が必要。
後は、地図？いや、海図も。食料もいるし･･･。
はぁ。センゴク元帥に相談してみよう。
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
