トリップ ページ4
友紀「チャコ〜。どこに行くの？」
チャコは答える事も無く、林の中を歩き続けている。
ところで、未空池公園の林の中は、こんなに大きかっただろうか？
私の記憶では、そんなに広く無かったような。
それに、林の中には子供達の落書きとか、そんなものがあるはず。はずなのに･･･ない。
地面だって、乾いた土が広がっている。
昨日は雨で、少しはぬかるんでいるのに。
(･･･可笑しい)
そう思ったのは、無理もない話だ。
友紀「ねぇ、チャコ･･･」
猫「私は、『チャコ』という名前の猫ではないわ」
友紀「･･･！！？」
猫ちゃん、が･･･。言葉を、話した！？
とても流暢な喋りで、喋るにもにも影響が無いくらい、上手･･･。
しかも、チャコじゃなかったなんて。
友紀「チャコじゃないんですね。あの、名前･･･」
スノー「スノーよ。カタカナの、スノー」
友紀「スノー？日本語に直したら、『雪』ですね。私の名前も、友紀って言うんです。漢字は違うけど･･･偶然ですね！」
スノー「･･･そうね、『偶然』だわ」
(いいえ、『偶然』ではない。これは『必然』)
† † †
友紀「スノーさん。一体、何処に行ってるんですか？林の中のはずなのに、全く出口が見えないんですけど」
ずっと、同じ景色が続いてる。出口も探しているけど、それも見つからない。
スノー「友紀。私と貴女は同い年だから、タメ語でいいわ。今向かっているのは･･･」
友紀「向かっているのは？」
スノー「あら、もう見えたわ」
見えた？何が？
友紀「･･･え？」
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
