新兵採用試験最終日 地獄のフルマラソン 後編 ページ30
勢いよくスタートを切った新兵達。観察してみると面白い。
最初から飛ばす人。
自分のペースで走る人。
自分のペースで走ってたのに、友人が来るとスピードを上げる人。
そんな彼らの前に、第一の関門が待ち構える。
それは『岩壁』
しかも高い。ゴツゴツしている上、所々にはコケも生えているので、掴む場所を考えないと行けない。最初とはいえ、なかなか難しい･･･。
スノー「あら、来たわね」
友紀「本当だ、早いね」
一番最初に来たのは、体力試験で一位だった人。
岩壁を見て、びっくりしている。
でも、すぐ立て直して、ジャンプで飛び移った。
そのまま順調に登るも･･･。
友紀「っあ！危ない！」
手を掛けた所がコケが生えてヌルヌルだった場所で、滑り落ちてしまった。もう少しだったのに、惜しいな。
もう一度登るけども、すぐ下には登ろうとしている人達がいる。さっきのトラウマのせいか、慎重になり過ぎて追い抜かれてしまった。
ソラ「･･･まぁ、これが勝負ですからね。よくある事です。それに、これで順位が決まる訳ではありません。更なる関門を乗り越えて、ゴールさえすれば･･･」
友紀「うん」
次の関門は障害物。様々な高さのハードル、ネット、大きな丸太が道をこれでもかと塞いでいる。ちなみに、これらの障害物を退かすのはNG。もしやってしまうと、5分待機という、痛すぎるタイムロスを食らう。
友紀「お、来たきた。あれ、違う人だ」
岩壁で順位が変わったのかな、と思いつつ、後ろを見る。どうやら体力試験一位の人は岩壁に手こずっているらしい。
ソラ「大きな丸太に手こずりそうですね。丸いので、位置も変わりますし」
友紀「頑張って！」
応援していると、クザンさんが来た。
クザン「へぇー、頑張ってるじゃねぇか」
友紀「フフ、そうですね」
クザン「まぁ、此処を超えても、最後がキツそうだな。なんたって･･･」
友紀「あの、最後って、何があるんですか？」
クザン「まぁ、なんだ･･･その･･･お楽しみな」
友紀「お楽しみ、ですか」
† † †
「お楽しみ」とは何だろう？と、内心ワクワクしながら最後の関門を見る。
友紀「･･･へ！？」
一瞬私の目を疑った。
だって、燃え盛る火の海があったから。
･･････まさか、この上を渡るの？
すると、第2の関門を突破した人が来た。
一切躊躇する事もなく火の海を渡った。
友紀「絶対熱いでしょ･･･」
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
