謎の少女 ページ24
友紀「･･･」
私は、手帳をそっと撫でる。
次はどんな場所なんだろう。そんな思いを胸に、手帳を開いた。
ーーパチリ。
電流が全身に迸り、意識を失った。
† † †
目が覚めると、私は赤いカーペットの上に寝そべっていた。ほんのり暖かい。気持ちいいから、思わず寝てしまいそうになったけど、それは流石に･･･。
周りを見渡すと、私がいるのは廊下のようだった。
等間隔にあるドアには、「101」とか「102」などがかいてあった。
何処かの施設？でも、赤いカーペットって･･･普通敷かないような気がする。
？？？「･･･あ･･････」
女の子？
廊下の角からこっちを見ている。
すらりとした真っ白な長袖のワンピース。二つ結びにしたサラサラの髪の毛が印象的な、色白な女の子だ。名前だけでも聞いて見よう。
友紀「あの･･･貴方は誰？」
女の子は、少し戸惑って、
真奈「真奈。藤堂真奈、よ。ええ。確か、そんな名前だった」
真奈ちゃんって言うんだ。あれ、藤堂？いや、同じ苗字の人も、いるし･･･有り得ないよね。
友紀「真奈ちゃん、此処はどこ？」
真奈「ラプラスの瞳が所有している施設よ。誘拐した子供たちをこの中にいれて『選別』するためのね」
ラプラスの瞳！？誘拐の噂は本当だったみたい。
選別って、どういう事？
友紀「選別って？」
真奈「能力があまり伸びていない子供を見極めて、地下の魂の部屋で殺すの」
友紀「え･･･」
そんな、どうして殺さないといけないの？
それに、能力って･･･。
真奈「ある男を蘇らせる為に、千の魂が必要なのよ。それも、能力を持った子供の、強い魂がね」
だから、殺し続けている？
誰かの未来を奪ってまで？
真奈「それは、ある強力な能力者の儀式に関係があるわ。確か･･･『時間』よ。その能力者は、時間を操るの」
それは、物凄い能力だな。私も欲しい。
真奈「そうかしら。私は、欲しいとは思わない」
友紀「どうして、そう思うの？」
真奈ちゃんは、落ち着いた顔で話し始めた。
真奈「だって、時間を操るという事は、この世界の時間そのものを意のままにする、という事よ。そんなリスクを犯してまで、超能力を使うことは出来ない。･･･ただ、私の父と、大人達は、素晴らしい能力だと褒め称えてたけど」
･･････。
そうか。そうだよね。
時間は、世界共通で、普通は止める事が出来ないんだもん。
でも、真奈ちゃんは、なんでこんな事を知ってるのかな？
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
