分析 前編 ページ22
ソラさんと出会ったその日の夜。
ソラ「その剣を『
友紀「超能力？」
スノー「そう言えば、一昔前に超能力ブームが流行ってたわね。スプーン曲げとか、浮遊とか、超能力者の戯れ言を間に受けて真剣にやってたわ」
友紀「そんなブームがあったんだ･･･」
あ、お母さんも言ってたような気がする。
周りの友達が給食でついてくるスプーンを使って曲げようとしていたって。力を入れ過ぎてスプーンが物理的に曲がっちゃって、先生に怒られていた人もいたって、お母さん笑いながら言ってたな。
そうだ、お母さんが話してくれた時、私に変な質問をしてきたんだ。
冬華「ねぇ、友紀･･･。能力がある人は、みんな幸せになれると思う？」
あの時の私は「なれると思うよ！だって、凄く楽になるし、凄いじゃん！」･･･とか何とか言って。
今は･･･どうなんだろう。
この世界に初めてきて、能力がある人がいるって知った時は、それこそ凄くびっくりした。間近で能力を使う所を見てきた。それでも･･････。
まだ「分からない」。
きっと、この質問に対してハッキリした答えは見いだせない。お母さんはどんな思いでこんな質問をしたかも分からない。
友紀「･･･能力？」
そうだ、過去の世界に飛び込んだ時、お父さんの部屋で見た。宗教組織「ラプラスの瞳」の、沢山の本。何度も読み直したかのようにしわくちゃになり、色褪せた本。
お父さんは、どうしてラプラスの瞳について調べているんだろう。
すると、静かに聴いていたソラさんが口を開いた。
ソラ「友紀様。『分析』しましょうか？」
友紀「分析するって･･･？え、ラプラスの瞳を？」
これも『超能力』の一つかもしれない。分析してもらおう。
ソラ「了承しました。『分析』を開始します。終了予定時間は20時37分です」
やっぱり時間はかかるんだね。
† † †
ソラ「『分析』終了しました」
友紀「それで、どんな組織なんですか？」
ソラ「ラプラスの瞳は、大きな振興宗教組織で、本部は北海道義須樋(ぎすとい)市の森中にあります」
義須樋市？聞き慣れないなぁ。
友紀「あれ、東京都明縁(めいえん)区の森中じゃないの？」
ソラ「最初はそう思いました、ですが、移転したようですね」
後編へ続く･･･。
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
