空からの贈り物 ページ21
仕事が早く終わり、周辺を彷徨いていた頃。
ざわつく声が聞こえた。
友紀「なんだろう？」
其処は、広場の真ん中に位置する場所で。
何かあったんですか、と近くの海兵さんに聞いてみた。
海兵「空から、剣が落ちてきたんだよ」
空から？
天空の城のラピ〇タかよ、とかツッコミながら、その落ちてきた剣を見てみた。
それはもう、思わず魅入る程に綺麗で。
柄の部分は翼ぽくて、綺麗な青色。剣の部分も、汚れたものが何一つないみたいに真っ白だった。
綺麗だな、と見ていたら。
？？？『･･･あ･･････』
何処からか、声が響いた。男の人らしい、テナーの声が。キョロキョロと首を回し、見渡す。
誰？何処にいるの？
？？？『ワタクシは此処ですよ』
此処に、いる？
もしかして、貴方は剣？
空から落ちた剣？
ソラ『ええ、そうです。ワタクシは、天使の剣の精霊･･･ソラと申します』
ソラ？
空･･･からきてるのかな。
でも、そんな事どうでも良くて。
ソラさん、どうして私に話しかけてるんですか？
もっと他にいるでしょう？
スモーカーさんや、たしぎさんや、クザンさんとか。
ソラ『いえ、ワタクシソラは、貴方様をお守りする為に天界から来たのです。異界人を護れと、大天使様から仰せつかりましてね』
前に来た異界人も、貴方は守ったの？
空から落ちて･･･。
ソラ『ええ、そんなところですね。ですが、彼は既に殺されておりました。海賊に･･･』
そ、そんな･･･。
ソラさん、もっと早く来る事は出来なかったの？
そうしたら、その人も死ぬ事は無かったはずだよ？
ソラ『ワタクシも、出来ればそうしたかった。ですが、出来なかった･･･。世界はあまりにも広く、そして多い。探すのに、時間が掛かりすぎてしまった。貴方のもとにきたのも、一週間程だったでしょう。それも、そのせいです。探していたら、こんなにも多くの時間を費やしてしまったのです･･･』
･･･そうだよね。
世界は広いもの。
魔法のある世界、化学が優れた世界、荒廃した世界･･･数えていたらきりがない。
ソラ『さぁ、友紀様。ワタクシを、使って下さいませ。きっと貴方の力になりましょう』
･･････うん。
この世界で死んでしまった人も、この世界で、私の状況を知ってる人も、私が元の世界に還る事を望んでる。
躊躇う気持ちはない。
私は、美しく輝く剣を手に持った。
(お父さん、待っててね。必ず還るから)
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
