天界の天使 ページ17
所変わって、此処は天界。
淡く光る雲と、降り注ぐ暖かな太陽の光が魅力的な天空の世界。
天使、大天使、天空神がいる。
天界にあるのは、時空転移者･･･つまり、トリップ者を元の世界に帰す「時空転移省」がある。
そもそもトリップとは、何らかの原因により違う時空にある世界に転移する事を言う。
エレベーターで異世界に行く方法や、きさらぎ駅も、時空に転移している者が僅かにいる為、これも含める。ただし、帰れないのは、世界は数え切れないくらい存在していて、探すまでに何週間もかかるから。
スノーが言った通り、どの世界にも境界が存在している。トリップを防ぐ為のものだ。
時上友紀の場合、何らかの力が境界に働き、それにより、トリップした･･･というのが、天使達の判断だ。
ミサエル「まぁ、それをしたのは大天使エレスティア様何だけどね」
彼女は、天使ミサエル。
大天使エレスティアに就く、天使だ。
エレスティア「私が、何で彼女をトリップさせたと思う？」
彼女はかなり気分屋だから、どうせ大した理由じゃないでしょ。
ミサエル「気まぐれですか？」
でも、違ったみたい。理由があるのかも？
エレス「･･･違う。彼女はね、哀しい運命を背負い込んでるの。あのままだったら、その運命のまま、結末を歩んでいたわ。だから、トリップさせたの」
ミサエル「哀しい運命？何ですか、父親が実は犯罪者とか？」
エレス「それも違う。もっと深い話。そう、ヒントは･･･母親の過去と、心怪」
ミサエル「母親の過去は分かりますが、心怪とは･･･？」
人間界を偵察していた時、聞いた事がある。
心怪は、誰もが心に持つ怪物。その人の心の持ちようによって、善か悪かが決まる、とか･･･。
エレス「ただ、言うのなら･･･心怪は存在している、これに尽きるわ」
そう言い、彼女らは下界に下りる準備をした。
友紀がいる世界を監視するために。
そして･･････。
あの男が、来ないよう守る為に。
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作者名：朱雀 | 作成日時：2016年11月4日 7時
