過去 ページ12
鈴の音?そうだ、スノーはこんな事を言っていた。
ーこの手帳は『彼』の過去を教えてくれるー
『彼』はどんな人なのか。名前は、出身は?
分からない事だらけでも、私は知りたい。
友紀「スノー。私、行ってくるね」
スノー「いってらっしゃい。その手帳を開けば、過去に行けるわ」
友紀「うん」
私は言われた通り、手帳を恐る恐る開いた、
瞬間。
友紀「ッ!?」
パチリとした電流が走り、私は意識を手放した。
† † †
目が覚めると、私は見知らぬ部屋にいた。
何処だろう。布団の柄も、カーテンも違う。
だったら、この部屋は誰の部屋?
部屋を右往左往しても、分からなかった。
部屋を出てみよう。
友紀「え、これって・・・」
引越す前の家だ。間違いない。
引越したのは最近の事だから、まだ覚えてる。
でも、どうしてだろう?
何をすればいいのか分からないし・・・。
友紀「もしかして、さっき私がいた部屋って・・・お父さんの部屋?」
多分そうだ。難しい本が並んでいたから。
行く場所はそこしかない。
友紀「お父さんの部屋、入った事はあるけど・・・」
お父さんが仕事でいない時、部屋にはいってプチ探検したんだ。本棚には、分厚い本が並んでいて。みんな「ラプラスの×」っていうシューキョーソシキ?のものばっかりだった。
その夜、お父さんに勝手に部屋に入った事を謝った。
やっぱり、お父さんは怒ってた。
そして、お父さんは私と約束をした。
「勝手に部屋に入らない事」
「部屋にある本を読まない事」
あの日から、私は2度とお父さんの部屋に入らない事にした。
友紀「約束、破ってごめんなさい。少しだけだから」
今度は本棚を重点的に探そう。
この家で何を探せばいいかなど、知らないけど。
探せば、その答えも見つかると思う。
友紀「ラプラスの、ひとみ・・・?」
ニュースでよく取り上げられてたっけ。
お父さんが言ってたな。
公平「ラプラスの瞳っていうのは、宗教組織なんだよ。超能力をもつ子供を集めて、世の中をより良くする・・・とか。最近ニュースに出ないけど、どうしたんだろうね。そうだ、確か、教祖の藤堂真が死んだとか聞いたよ」
友紀「教祖?」
公平「一番偉い人だよ」
友紀「ふぅん・・・」
お父さんは、どうしてラプラスの瞳を調べているんだろう。警察の人とかに任せればいいのに。
友紀「あっ」
適当な本を開いていたら、小さなメモが落ちた。
パチリ。
また、電流が走り、気を失った。
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作者名:朱雀 | 作成日時:2016年11月4日 7時