異世界、私は誰かを思い出す。第１章～海軍本部編～ (ページ2)

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あの日の願いページ2

『ねぇ、公平さん。名前、どうしましょうか？』

『そうだね。「友紀」はどうだい？女の子らしい、可愛らしい名前じゃないか』

『友紀･･･。ふふ、貴方らしいですね』

『どうかな？』

『とても、素敵ですよ。･･･あの子にも、教えてあげたかった･･･』

† † †

小鳥がさえずる歌が聞こえる。
風見鶏が回る音がする。
日差しが強い。時計は、もう10時か。
僕は、いつの間にか眠っていたらしい。
そういえば、さっきまで夢を見ていた。
彼女の･･･冬華の、夢を見た。
友紀が生まれたあの日の夢を。

「ああ、本がぐしゃぐしゃだ。整理しないと」

散らかっていたまとめ、本を近くの本棚にしまい込む。書き留めたメモをコルクボードに停める。
本の題名は、

「新興宗教団体『××××××』の全て」
「××××××の謎」
「新興宗教団体の教祖について」
「誘拐事件大全」
「超能力で世界は変えられるか？」

･･･他にも沢山あるが、今現在僕が読みふけっていたのは、この５冊だ。でも、こんなに読んで、調べているのに、組織の居場所すら掴めない。
僕がしているのは全て無意味の行動なのだろうか。

「･･･そうだ、今日は公園に散歩するんだった」

長い事眠ってしまった。やはり、夜ふかしはいけないな。友紀も待っているだろう。
急いで服に着替え、使い古した財布を持ち、１階に降りる。

「お父さん、遅いよ」

聞いてるか。この子は渡しはしない。

僕が、命懸けで守ってみせる。