笑顔の多い人【赤】 (ページ2)

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2話ページ2

『....あ、すいません、ありがとうございます』

チカチカする視界が回復するとぱっと離れる

お客さんに支えてもらうなんて、申し訳ないな

「自分、大丈夫？」

『はい、もう平気です』

あまり表情は見えないけど、心配してくれてるらしい

関西の人かな、軽やかな訛りがスっと耳に入って来た

ぺこり、と頭を下げて荷台を押して裏へ戻る

体調、悪くはないけど一応水分補給をしてレジに戻る

揚げ物はもうあまり残ってない

自分のすることが無くなってタバコの番号と名前を覚える

番号で言ってくれる人が多いけど、やっぱり銘柄で言われることもあるから

ガサッ

『お待たせしました』

弁当とか、お酒とか、パンとか。

顔を上げるとさっき支えてくれたお兄さん

沢山食べる方なんだな、と思いつつ、年齢確認とレジ通しを済ませる

「年齢確認しなくてええの」

見たら成人されてるの、分かるんだけどな

確かに若いイメージもあるような

『では、確認できるものの提示をお願いします』

「ほい」

やっぱり、とっくに20歳を越しているではないですか

でも、29歳とは思わなかった

やっぱ若いんだ

『ありがとうございます』

ピ、と最後の商品もレジを通す