君はソメイヨシノ (ページ6)

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部屋は案外広くて、とても綺麗。

久しぶりにゆっくり休めそう

……みなさん優しそうな人たちだし、本当に伯父さんには感謝しかない。

一人では充分すぎる部屋を見回してみて改めて思う

本当に私には、何も残ってないんだな

「………はぁ」

？「A～入っていい？」

「！？あ、はい大丈夫です！」

この声は………

佐「お、部屋の作りは俺らと変わらない」

「景瑚…さん？」

佐「そうそう！覚えるの早いね、嬉しい。でも"さん"ってやだな～」

「じゃあ景瑚くん…でいいですか？」

佐「本当は呼び捨てがいいけどそれでもいいよ♪てか敬語！気になるからもっと気楽に話してほしいな」

背の高い景瑚さんが屈んで目線を合わせて来た。

顔が近くて、思わず視線を横にずらす。

「じゃあ…なるべく気楽に話すね、？ます」

佐「あはは、変なの！」

自分でも変だと思います。でもそんな整った顔が目の前に来たら誰でも動揺するって…

佐「あ、そうそう。Aがあんまり服とか持ってないって社長から聞いてさ、あらかじめパジャマだけでも買っておいたからよかったら着て？」

俺、ファッショニスタだから。と言って紙袋を渡してくれる景瑚くん。

有名なブランドの、自分では選んだことのないような可愛いパジャマ。

「え…こんな可愛いものいいんですか！？」

佐「いらないって言われても困るし！俺着れないよ～」

「あ、ありがとう景瑚くん…」

佐「喜んでもらえて何より。じゃね♪」

私が来る前から、私のことを考えてこんな良いものを買ってくれたんだ…

あ…涙腺脆いな、私。