君はソメイヨシノ (ページ25)

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「祥生って京都出身なんだ！いいなぁ」

祥「京都好きなん？」

「うん、和とか大好き。抹茶も好きだし、京都ってザ・日本って感じだから旅行行きたいなってずっと思ってる」

祥「嬉しいわ、今度俺案内するで」

「え！ぜひして！」

リビングに移動して祥生とお喋りしてたら、すごく楽しくて

祥生はもっと大人しい感じかと思ったから、こんなに楽しいならもっと早く話せばよかったなんて思ってる今現在。

祥「和なぁ、Aの和服姿とか見てみたい」

「そう？そんないいもんじゃないよ」

祥「Aってなんか桜って感じやん、絶対似合うって」

「もう～」

褒められるのは恥ずかしいけど嬉しくて、思わず照れる。

桜、か…

純「ソメイヨシノや！！」

「！？」

そんな中、急に爆音で入ってきたのは…

純喜くん

びっくりした。。

祥「純喜くんなんすか…」

純「ちゃうって！ソメイヨシノやん！気付かん！？」

祥「……あぁ！」

ソメイヨシノ

昔からよく母親が私に言っていた言葉。

純「わかったやろ！？染井社長が伯父さんってことはお母さんの旧姓染井でお父さんの苗字が吉野やんな。ソメイヨシノやん！桜！Aのイメージにぴったりや！」

祥「確かに、通りで桜っぽいと思ったわ」

「なんか恥ずかしいよ…笑」

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『お母さんの前の苗字が染井でね、Aの苗字は吉野でしょ？』

『ソメイヨシノって桜の種類があるの。Aはその桜みたいに、純粋で美しい子になってほしい』

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「…お母さんに昔から言われてたから、ちょっと意識して生活してたのかも」

最近、そのことめっきり考えなくなってたけど

そう言われて、久しぶりに私を見つけてくれた気がした。

祥「俺、やっぱりAには和服着てほしいな。桜柄の、絶対似合うと思う」

「…私もいつか着たいな」

なんだか、懐かしいこと思い出しちゃった。

「ありがとう、二人とも」

祥「逆に俺がありがとうやわ、そんな素敵なこと気づかせてくれて」

純「ほんまに！今めっちゃ気分ええわ」

名前だけで、こんなに喜んでくれる人がいる

両親が私に残してってくれた、素敵なプレゼント。