君はソメイヨシノ (ページ20)

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そりゃあんなことされたらおばけのことなんかすっかり忘れて

気を紛らわすために家中の掃除をして、夕飯の準備をして、なんだかんだでみんなも帰ってきて無事最低限の仕事はできたんじゃないかなと思う。

昨日は寝るのが遅くなってしまったので、今日は早めに寝ようと部屋に入ろうとすると

後ろに何かの気配。

「…汐恩？」

鶴「うお、すげえ当たり」

「背高い人だと思って、無言だったから汐恩かなと」

鶴「なんやねんそれ」

と言いながらも、くしゃっと笑う笑顔に思わずキュンとする。

「どうしたの？」

私の部屋の前にわざわざ来るということは、何か話があるんじゃないかな

鶴「あのさ、俺練習で疲れた」

「…うん？お疲れ様、」

鶴「ハグしてくれん？」

「………は！？」

思わず大きい声が出る。

意外と静まり返っていた廊下に私の声だけが響いてしまったので、咄嗟に汐恩を部屋の中に引き入れた。

「え、なに言ってるの！びっくりしたじゃん！」

鶴「いや、そのまんまの意味だし」

「いやいや…翔也にでもハグしてもらってよ」

鶴「…奨くんは良くて俺はダメなん？」

「………え」

…まさか、汐恩

昨日の見てた？